2015年6月おおたけ貴恵一般質問議会報告 ② 教育と福祉の連携の確立等で、子どもの貧困の連鎖を断ち切ろう

【おおたけ質問】

 次に、大綱2の子どもの貧困対策について、学校現場から貧困の連鎖をなくそう についてお聞きします。

 一昨年の年国民生活基礎調査から、2014年の厚生労働省推計による最新の日本の子どもの相対的貧困率が16.3%という結果が報告されています。約6人の1人の子どもが相対的貧困に育っています。1980年代以降、日本全体の貧困率も上昇していますが、子どもの貧困率は特に早いペースで上昇しています。

 この数値は、私も含め、昭島市議会の多くの議員が取り上げてきたように非常に深刻な問題だと捉えています。

 国のデータから、日本の子どもたちのどのような子どもが貧困なのかが見えてきます。
因みに厚生労働省「国民生活基礎調査」は、平成19年、平成22年、平成25年に実施され、  貧困率は、各調査年の前年の所得を聞いた質問から 計算されるため、貧困率の該当年は2006年、 2009年、2012年、がわかります。

 2012年にかけて子どもの貧困率が上昇している世帯は、「ひとり親と未婚子のみ世帯」です。子どもの年齢別に貧困率(再分配後)を見ると、年齢が高いほど貧困率が上昇していることがわかります。子どもの貧困率は、子どもの年齢よりも、父親の年齢に関係しています。現在の父親の年齢別に見ると、20歳代前半から50歳代後半にかけて、子どもの貧困率は減少します。そして、50歳代後半に再び上昇します。この傾向は、労働市場における男性の状況を反映しています。母親や父親の学歴別に子どもの貧困率を見ると、まず、小・中学校卒の母親や父親を持つ子どもの貧困率が突出して高いことがわかります。子どもの貧困率は子どもが 4人以上の世帯にて特に高いこともわかります。

 昨年国は「子どもの貧困対策大綱」を作成し、「全ての子供たちが夢と希望を持って 成長していける社会の実現を目指して 」が定められ、子どもの貧困の連鎖、つまり子どもの背景にある親の貧困をも含んだ対策を本格的に国は取り組み始めました。この問題は今年の第一回定例会の予算委員会の中でも、私は昭島市独自で子どもの貧困率を出すことはできないということに、「就学援助の推移」から昭島市の子どもの貧困対策を早急に取り組むことを指摘してきました。

  2014年8月、『子どもの貧困対策の推進に関する法律(平成25年法律第64号)』第8条の規定に基づき、「子供の貧困対策に関する大綱~ 全ての子供たちが夢と希望を持って成長していける社会の実現を目指して ~」が定められました。

 「子どもの貧困対策大綱」にも明記されている「子どもの将来が生まれ育った環境によって左右されることのない、貧困が世代を超えて連鎖することがないよう」になければなりません。また子どもの貧困対策に関する基本方針にある、「第一に子どもに視点を置いて、切れ目のない施策の実施」「子どもの貧困の実態を踏まえること」「教育の支援で、「学校」を子どもの貧困のプラットフォームと位置づけ、総合的な対策」をすること等を主眼に置き、質問をします。

(1)細目1、

①はじめに昭島市の不登校の数の経年的な推移、昭島市として不登校から見えてくる福祉施策との連携が必要な複雑化する課題をどのように捉えているか現況をお聞かせ下さい。

②次に、子どもの心の相談にのるスクールカウンセラーや福祉の専門家のスクールソーシャルワーカーの職務を明確化し、不登校などから見える複雑化する課題に、「チーム学校」として、取り組む仕組みの指針等を早急につくるべきと思います。市はどのように考えていますか。

 昨年各学校で「いじめ防止の方針」を策定したように、子どもを取り巻く環境を支援する、例えば民生児童委員やウィズユース等の地域もいっしょに取り組むべきと思いますが、いかがでしょうか。

 (2)細目2、教育と福祉の連携の確立等で、子どもの貧困の連鎖を断ち切ろうについてお聞きします。


冒頭で国の調査結果を示しましたが、昭島市の一人親家庭の状況を調べてみました。

 昭島市のひとり親家庭の現状を調べました。女性の一人親家庭である特定寡婦控除対象者は、昨年度(平成26年度)1324人いました。そのうち非課税者は678人でした。一方男性の寡夫控除140人でおり、そのうち27人が非課税者です。今年度 特定寡婦控除対象者は1338人でおり、非課税者は677人です。

  寡夫控除対象者は153人であり、27人が非課税者でした。女性も男性も一人親家庭は増えており、女性の一人親家庭の経済状況は男性より厳しい状況におかれていることも明らかです。

 少なくともこれらの調査でわかった 一人親家庭で経済状況が厳しい家庭には、的確に福祉支援策の情報が届けなければなりません。

 そこで質問します。

①例えば昭島市の社会福祉協議会が行う高校、大学等に入学した場合に返済が免除される中学3年生、高校3年生を対象に塾費用や受験料の貸付を無利子で行う事業や市が行う駐輪場の減免施策等、受けられる可能性のある支援施策の情報の一元化をし、就学援助のように、1人ひとり手にわたるようにすべきではないでしょうか。市の考えをお聞かせ下さい。

②次に、不登校等から複雑化する課題が見える家庭への支援施策を切れ目なくする必要があると思いますが、義務教育終了後への子どもへの支援施策を市はどのように「つないでいく」と考えていますか。

③次に、子どもの貧困を断ち切るには、家庭への支援は必須です。子どもの生活実態がよく見える学校現場から福祉へつなぐ必要があり、また福祉から見えてきた課題を学校へつなぐ必要があります。足立区では、今年度「子ども貧困対策会議」を立ち上げました。昭島市においてもまず子どもの貧困対策への糸口として「生活実態調査」「放課後の学習支援対策」等、専門家を交えた「子ども貧困対策会議」を立ち上げ、庁内で横断的に早急に取り組むべきと思います。市の考えをお聞かせ下さい。

【答弁者:子ども家庭部長】

 教育と福祉の連携の確立等で、子どもの貧困の連鎖を断ち切ろう のうち、「駐輪場」「塾代、受験料支援(社協)」等、受けられる可能性の支援施策を、就学援助のように、1人ひとり手にわたるようになっているか、についてご答弁申しあげます。

 まず、子どもの貧困に対する施策にかかる情報提供でございますが、広報、ホームページによる情報提供があり、チラシ等による周知をとっているところでございます。

 ご質問のひとり親の方々に対する情報提供については、現在 特には実施していない状況にございますが、施策の情報提供は、生活、教育、福祉、医療、税など相当多岐にわたるものと考えられるところから、多くの情報をコンパクトに収め、情報提供をすることの必要性は認識しているところでございます。

 今後におきましては、掲載する内容などを検討するとともに他市の例を参考とする中で、検討して参りたいと存じます。

 次に 義務教育終了後への子どもへの支援施策を市はどのように考えているか、についてご答弁申し上げます。

 現在、不登校などにより、課題が見える家庭への支援につきましては、学校及び教育委員会と子ども家庭支援センターが連携し、支援が必要とされる家庭についてのご相談から当該家庭へとつなげていただき、家庭での困り感など、家庭が抱える様々な課題等についてのご相談に応じております。

 相談の中で利用可能な行政サービスや情報等について提供するとともに、必要に応じて関係部署と連携する中で手続等の支援などを行っているところでございます。

 義務教育終了後の支援施策につきましては、中学校卒業時に支援が必要と思われる児童について、教育委員会及び福祉部門への連携の仕組みづくりが課題であると考えております。

 次に、子どもの貧困を断ち切るための庁内の連携についてであります。

 国においては、子どもの貧困対策の総合的な推進を図るため、平成25年度に「子供の貧困対策の推進に関する法律」を策定し、また、昨年8月には、「子どもの貧困対策に関する大綱」を閣議決定いたしました。

 大綱の中では、子供の将来がその生まれ育った環境によって左右されないよう、また、貧困が世代を超えて連鎖することのないよう、必要な環境整備と教育の機会均等を図ることを目的・理念としております。

 本市におきましては、各担当において、連携を図りながら、保護者に対する就労の支援やひとり親家庭に対する支援、教育の場における支援などに努めているところであります。

 なお、現時点におきましては、子どもの貧困問題を総合的に担当する部署は設定されておりませんが、子どもの貧困対策を推進するためには、学校、福祉、子育てなど様々な担当部署で実効的な連携を図ることが大変重要と考えております。

 すべての子どもたちが夢と希望を持って成長していける社会の実現を目指し、子どもの貧困対策を総合的に推進する方向性が確立されたことから、まずは現行の部署が連携することが重要であり、推進体制については、今後庁内において、研究して参りたいと存じます。

 次に「生活実態調査の実施」と「子供貧困対策会議」の設置についてであります。

 「生活実態調査」についてでございますが、子どもの貧困の実態把握については、国の大綱において、都道府県が調査をして事業計画を定めることとなっております。

 貧困対策については、財政面と制度面において国・都と連携して取り組むことが重要であり、現時点におきましては、昭島市単独で実施する考えはございません。

 また、「子ども供貧困対策会議」につきましては、各関係機関や各担当部署との連携し、実態調査をして、事業計画を策定するものと理解しておりますが、都における子どもの貧困対策推進計画がまだ未着手の状況においては、市として先行して設置する考えはございません。

 次に「放課後の学習支援対策」についてであります。ご案内のとおり、今年度から開始いたしました「生活困窮者支援事業」におきましては、任意事業といたしまして、学習支援事業が位置付けられております。

 現時点におきましては、学校教育の場における支援の充実や生活保護制度において、塾などに要する費用の支給がなされること、また、市内の社会福祉法人において、無償で学習支援を行う取組みも開始されたところであります。

 この、社会福祉法人の取組みでは、現在10人の子供たちが、社会人や学生などのボランティアから学習支援を受けており、今後、事業の拡充なども検討されているようであります。

 今後におきましても、こうした、社会福祉法人の取組みを支援いたすとともに、東京都の取組みの推移を見ながら、教育委員会とも十分連携を図りながら、貧困の連鎖の防止につながる学習支援の取組みを推進いたしてまいりたいと存じます。