報告:フォーラム「東京の森は、いま」

2015年10月23日 11時15分 | カテゴリー: トピックス

 人と人との関係性の中でともに教えあい学びあう「共育(ともいく)」を大切にしつつ、社会のしくみを知り自分らしい暮らしを見つけることを目的として、2009年にスタートした生活クラブの学校。

 1013日、生活クラブの学校のプログラム「東京の森を知って、感じて!」の一環として、フォーラム「東京の森は、いま」が生活クラブデポー国分寺にて実施されました。昭島・生活者ネットワークからも事務員が第1部の講義のみ参加しました。

 講義は森林率が93%を占める東京都内桧原村にて、2006年当時29歳で株式会社東京チェーンソーズを創業なさった若手林業家青木亮輔さんによるものでした。「東京の木の下で 地球の幸せのために 山のいまを伝え 美しい森林を育み、活かし、届けます。」という取り組み方針のもと、非常に精力的に事業を展開なさっています。

 現在国内の林業就労状況には、様々な問題点があります。例えば、森林量の相対的な増加と反比例する林業就業者数の減少、就業者の高齢化、日給制や出来高制が主要な支払い形態、山元価格(山に木が生えている状態での樹木価格)の下落、などです。

  そのような現状を打破しつつ、安心して明るく林業に取り組みたいとの想いで創業した青木さん。人材育成のための補助金を利用して、着実に仲間と売上を増やしています。

  各種メディアを通じた情報発信や、ツリークライミング・チェンソー体験会など多様なイベント実施を通じて会社のファンを増やしつつ、現在は都民の森林へのニーズにあわせて従来のオーソドックスな林業の職務以外にも、多様な事業に取り組まれています

  その1つ目は、東京美林倶楽部です。これは30年という時間をかけて、3本の苗木の植え付け、下草刈り、枝打ち、間伐といった一通りの山仕事を東京チェーンソーズさんとともに行い、東京にしっかり手入れされた美しい森林をつくるプロジェクトです。25年後と30年後の間伐の際には、自分で育てた木を受け取れると同時に、次世代へと引き継がれていく手入れの行き届いた美しい林が残っていきます。お子さんをお持ちの親御さんから、年配の方までいろいろな方がそれぞれの想いを持ち参加なさっているとのこと。

  2つ目は、桧原木のおもちゃビレッジ構想です。東京おもちゃ美術館が推進する、地産地消の地域材を用いる「木育」の行動プランであるウッドスタート宣言が、桧原村でもなされました。これを受けて、東京チェーンソーズさんは、このおもちゃビレッジ構想を打ち出し。檜原村を元気にするため地域の財産(地域の木材、人材、休眠施設)を活かした新しい産業として、東京・檜原ブランドとしての木のおもちゃや遊具の製作販売を中心に、林業に携わる人材育成、桧原村の観光名所化などを目指してゆきます。

 最後は、「東京の家と森を育てる」ことをコンセプトとする、一般社団法人 TOKYO WOOD普及協会の活動への参画です。多摩地域において、土地の気候風土に合わせてつくられた高品質な住宅、及び、山林の適切な伐採サイクルを維持していくための地元産材の消費サイクルの2つのニーズに応える家づくりを支援し、地域経済の活性化を目指す活動をしています。

  第2部は「東京の森の活かし方」をテーマとし、青木さん、市民電力連絡会会長竹村英明さん、環境まちづくりNPOエコメッセ理事長おおたけ貴恵さんによる鼎談が行われました。

  第1部については、林業が社会全体を良くしていく1つの手段として、いろいろな可能性を秘めていることに気付かされた講義内容でした。

 また、手入れされない森林のいろいろなデメリットのお話を伺うなか、某企業は奥多摩や桧原村が工場があるエリアの水源である関係から、CSRではなく事業の一環として山を買い取り手入れに取り組まれているとのこと。さらには、昭島の地下水の水源も奥多摩や桧原村につながるそうで、もっと多くの人が当事者意識を持ちながら、林業に親近感を抱きその必要性に目を向けやすい社会の仕掛けがあるならばと思えました。

<第2部終了後の集合写真>