2015年9月議会 篠原ゆか 一般質問報告 ③ 生物多様性地域戦略について

2015年11月10日 10時04分 | カテゴリー: 議会質問

【篠原質問

大綱3生物多様性地域戦略についてお聞きします。「生物多様性地域戦略」は2008年5月に成立し、翌6月に施行された「生物多様性基本法」に盛り込まれました。本法では生物多様性の保全と持続可能な利用に関する施策を総合的・計画的に推進することで、豊かな生物多様性を保全し、その恵みを将来にわたり享受できる自然と共生する社会を実現することを目的としています。現在地球上には3000万種を超える多様な生き物が直接、間接的に関わり合いながら生きています。このことを生物多様性と呼びますが人間社会が近代的発展をとげる中で、生物多様性は様々なダメージを受けています。湿地の埋め立てや森林の伐採など様々な開発で一年間に絶滅する生き物は4万種に上ると言われています。まだ私たちが発見もしていない生物がたくさんいる中で確認出来るだけでも一年間に4万種が絶滅している、すごい数です。地球は過去5度の絶滅危機が到来しましたが今はまさに6度目大絶滅に差し掛かっているという衝撃的な研究論文が2015年8月11付けの英科学誌ネイチャーコミュニケーションズに発表されました。生物多様性は今や地球規模で取り組みが進んでいるものです。今、日本は国際環境NGOであるコンサベーションインターナショナルによって生物多様性が豊かだが非常に危機的な状況にあるホットスポットに日本全体が指定されています。しかし悲観したままではなく、もう起こってしまったことについてどう対処していくのか前向きに考えなくてはいけません。アスファルトを飲み込む植物の力、自然の回復力というものはすさまじいものです。これから注目すべきはグリーンインフラであると考えます。グリーンインフラ(緑のインフラ)とは、「緑」を都市のなかに上手に組み込み、その自然のプロセスを活かすことで課題を解決しようとする取組です。 従来のインフラ(グレーインフラ)のように特定の目的のためだけに建設され、活用されることとは異なり、トリプルボトムラインである環境、経済、社会の各面の便益が得られるとされています。 例えば、降雨量増加による雨水管理が必要な場合、ダムや堤防などの代わりに、植生や土壌を活用することで、雨水管理のみならず、洪水の緩和、水質浄化、レクリエーションのための緑地の増加など、多様な利益が得られ、費用対効果が大きいと考えられています。

このような新しい取組等にも注目していって欲しいと考えます。

そこで質問です。 

細目1生物多様性地域戦略の取り組み方について質問を致します。

大嶽議員の平成26年第4回定例会において、市長は環境基本計画において生物多様性の地域戦略策定を中期目標として定めていると答弁しています。そして地域の生物多様性の実態を把握することが第一歩であると答弁しておりますが、その後、生物多様性地域戦略策定の為の実態調査をおこなうのでしょうか。お答えください。

地域戦略策定のスケジュールを教えてください。いつごろ行うのか、どのように行うのかお聞かせください。

環境基本計画には平成30年に調査報告書の完成とありますが、植物、魚類、昆虫、鳥類など生物といっても多岐にわたります。こうした調査は実態を知った上で、その後の変化を継続的にみてこぞ意味のあるものです。調査はコンサルにすべておまかせするのではなく、市民が多く関わる調査とすることが必要です。そのためには早急にとりかかることが必要と考えますが、どうお考えですか。

地域の自然や環境の保全には主眼となるものが必要だと考えますが市は昭島市の特徴(大事にするもの)をどのように考えているのでしょうか。

細目2生物多様性地域戦略の市民参加について質問致します。生物多様性地域戦略に大事なのはそこに住んでいる市民の方たちの協力だと考えます。そこに住んでいる方が一番環境の変化にも敏感であると感じます。また、地域戦略として考えて行く場合、市民と昭島市がどのように関わるかということが重要になります。くらしている地域のいい所を話し合い、ワークショップを何度も行っていくことで地域の活性化にもつながるとも考えられています。市民と一緒に生物多様性地域戦略について考えていくつもりがあるのかお聞かせください。

以上で質問を終わります。明確な答弁をお願い致します。

【答弁者:市長

篠原有加議員の一般質問につきまして、私からは3点目の生物多様性地域戦略についてのうち、生物多様性地域戦略における本市の取り組み方についてご答弁申し上げ、他のご質問につきましては、それぞれ担当部長からご答弁申し上げます。

現在、地球上には、未知のものを含め約3000万種の多様な生命があると推定されておりますが、地球温暖化による生態系の破壊、開発や乱獲による種の絶滅、また、外来種や化学物質による生態系のかく乱などにより、毎年4万種もの生物が絶滅の危機に瀕していると言われております。

私たち人類は、生物多様性のもたらす食物連鎖などの恩恵により生存することができ、このことが人類存続の大切な基盤となっております。

このような中で、平成22年に名古屋でCOP10が開催をされ、生物多様性に関する世界目標となる戦略計画「愛知目標」が採択されました。また、我が国におきましても生物多様性基本法が制定をされ、生物多様性国家戦略を閣議決定するとともに、環境省は生物多様性地域戦略策定の手引きを作成し、地方自治体が当該戦略を策定するための基本的な考え方を示しました。

本市におきましては、これまでの人と自然との関係を今一度見つめ直し、今後の自然共生社会のあり方を示すため、環境基本計画におきまして、生物多様性地域戦略の策定を中長期目標として定めておるところでございます。

しかしながら、生物多様性の重要性やその内容、また具体的行動を認識している方はまだまだ少なく、引き続き、市として啓発を行うことが重要となっております。

生物多様性の維持に向け、本市にどのような生物が生息しているかの実態把握を行えるよう、市民一人ひとりが本市の生物多様性を実感できるような場を提供するなど、具体的な行動につながり、実態調査ができるよう、今後十分に検討し、将来的な生物多様性地域戦略へとつなげてまいりたいと存じます。

【答弁者:環境部長

ご質問の3点目、生物多様性地域戦略についてのうち、細目2点目の生物多様性地域戦略の市民参加についてご答弁申し上げます。

東京都各自治体の生物多様性に関する計画の策定状況は、平成27年6月時点で千代田区など8区及び八王子市、府中市、町田市、稲城市、羽村市、あきる野市の6市で策定されている状況にあります。

すでに、策定した市にお伺いしたところ、コンサルタントに委託し、季節ごとに調査を実施し生物調査を行なった自治体や、地域内の各団体で保有していたデータを取りまとめ策定に生かした自治体など様々な手法で策定している状況にあります。

本市におきましては、昭島市環境基本計画において、平成33年度を生物多様性保全のための計画策定目標としており、生物の実態調査の実施については、平成30年度が目標となっています。

生物多様性地域戦略策定は、多くの調査を行う必要があり長い期間がかかるため、市民の協力が大切であることは認識いたしております。

市といたしましては、市民へ生物多様性の考え方や重要性についての理解を深めるため、環境課で実施しております環境学習講座のテーマを、本年度は「生物多様性」としており、公募した市民に対して、視察研修や学習会を行っております。

今後、生物多様性地域戦略を策定するにあたり、調査や計画策定について、市民参加の方法や各種団体との連携手法を検討し、多くの市民が深い関心を持てるような方法で実施してまいりたいと存じます。