2017年6月議会 篠原ゆか 一般質問報告 ③生物多様性について

【篠原質問】

次に三点目、生物多様性について質問いたします。

毎年5月22日は国際生物多様性の日と定められており、各国でイベントを行うことが推奨されています。日本でも各地で生物多様性のイベントが行われていました。そして、6月1日にはトランプ大統領がパリ協定離脱を発表、世界中に衝撃が走りました。その後日本国内では6月6日、2017年度版「環境、循環型社会・生物多様性白書」を閣議決定し、「世界全体で脱炭素社会に向けてはしりだしている」として、改めてパリ協定の重要性について強調しました。

生物多様性は地球上の人や動物、イネや小麦、大腸菌やバクテリアまで多様な命のつながりを表すものです。私たちはどうしても物事の判断をヒトの視点で見てしまいがちですが、生物多様性条約が作られた際、その前文の原案にあった言葉は「人類が他の生物とともに地球を分かち合っていること認め、それらの生物が人類に対する利益とは関係なく存在していることを受け入れる」という言葉は、人類が生きていくうえで忘れてはいけないことであり、人の視点だけで意味の軽重を問うべきではないということを教えてくれます。

三菱UFJリサーチ&コンサルティングは都市の生物多様性指標研究会とともに、自治体の生物多様性の現状と取り組み状況を評価し、全国初となる生物多様性に優れた自治体ランキングを昨年作成しました。行政取り組みで評価が1位となったのは、埼玉県戸田市、神奈川県川崎市、兵庫県神戸市伊丹市の4自治体であり、生態系の豊かさと便益を評価する指標群で一位となったのは栃木県茂木町(もてぎまち)・那須町など7自治体でした。

665自治体を共通指標で評価することは世界的にも珍しく先駆的な成果であったといえます。自治体の取り組み状況から見えてきたのは行政計画の重要性です。これから地域戦略を策定していく上では非常にいいお手本になるのではないでしょうか。昭島市独自の生物多様性地域戦略ができることを非常に期待しています。

そこで質問です現時点での進捗状況、前回の質問より進んだところがあれば教えてください、また、新しい施策などあれば教えてください。

次に植生調査についてお聞きします。植物は生産者としての生態系の一員であるのに加え、様々な種の個体、枝や幹等が集まることで階層構造を作り出し、鳥や昆虫等様々な動物たちの生息の場ともなっています。植物は周辺の様々な環境要因により、ある程度のまとまりや結びつきをもって生育しています。時間の経過とともに遷移し、構成種や群落の高さが変化していきます。例えば通常裸地を放っておくと最初にブタクサやエノコログサが生息します。その後時間が経過していくとヨモギやススキが群生し、さらに、アカマツやコナラからなる陽樹林へ、最終的にはシイ・ブナなどの陰樹林へと変遷していきます。こうして植物が変遷していくとともにそこに生息できる生物も変わってきます。また、その周りにある環境などでも生態系は変わってゆきます。こういった変遷を調査し、書き留めることや標本にしておくことは非常に重要なことであると考えます。そこで昭島市の植生調査についてお聞きします。

まず、今回ナガミヒナゲシの情報がFacebookなどで流れました。ナガミヒナゲシがHP上で表記されたがその経緯について教えてください。

以上で質問を終わります。明快な答弁をお願いいたします。

【答弁者:環境部長】

ご質問の3点目「生物多様性について」ご答弁申し上げます。初めに、「現時点での進捗状況、新たな施策について」であります。生物多様性につきましては、これまで「市民との協働により、調査の手法等を検討する中で地域戦略策定へ繋げる」旨、お答えいたしているところであり、以後、市といたしましては、全ての動植物が一つの生態系の中で生存しているという重要性からも、生物多様性を調査し、守るという地域戦略の策定は重要な課題であると認識いたしているところであります。

具体的な進捗状況といたしましては、一昨年から市民を対象に実施している環境学習講座も3年目に入り、より実践的な植生調査や昆虫や鳥類の観察方法などの学習を行ったところであり、今後の生物実態調査チームの編成に当たっては、受講者の方々が中心となって活躍していただくよう計画しているところであります。また、昨年度には、環境部の若手職員で構成する部活性化プロジェクトにおいて、生物多様性について検討し、植生調査等を行いながら、今後の取組みについて研究いたしました。

生物実態調査は、植物、昆虫、水生生物、鳥類、哺乳類など多くの分類で実施する上、季節ごとに調査する必要もあるため、長い時間がかかるものであり、その分、多くの市民の皆様に参加していただけるよう、引き続き環境学習等多くの機会を通じて生物多様性についての啓発を重ねて参ります。

次に、「植生調査について」であります。ナガミヒナゲシは、1961年に日本に移入したとされている外来植物であり、ここ数年で爆発的に繁殖し、街路の植込みや空き地などに自生しているのを目にすることが多くなっております。1つの花から1,500粒以上、1株から15万粒もの種ができ、根と葉から、周辺の植物の生育を強く阻害する成分を含んだ物質を出すため、本年5月、マスコミで取り上げられたことにより、複数の市民の方々から駆除の要望が寄せられたところであります。

市といたしましては、植栽したものではないこと、また、適切な駆除を行なうことにより本来あるべき植生への影響を抑えられること等を考慮し、市ホームページに掲載したものであります。

今後も、広報あきしまや市ホームページを利用しながら、本来あるべき生物多様性の維持について啓発して参ります。