2018年9月議会 篠原ゆか 一般質問報告 ①ケアラー支援について

篠原ゆかの9月議会の一般質問とその答弁を報告します。

昭島市のインターネット映像配信からは、再質問含めご覧頂けますのでご利用下さい。

http://smart.discussvision.net/smart/tenant/akishima/WebView/councilorsearchresult.html?speaker_id=14&search_index=3

【篠原質問】

ただいま議長の使命を受けました。通告に従い、一般質問を行わせていただきます。

少子高齢化が進む中で介護を必要としている人が増えています。被介護者の増加は同時に介護者、「ケアラー」が増えていることでもあります。

今回は介護者ではなく「ケアラー」と表現させていただきます。ケアラーとはケアの必要な家族や近親者などを無償でケアする人のことで、高齢者だけでなく、障害者や難病患者などの介護、看病、障害児の療育、さらには依存症やひきこもりなどの世話などをしている人が該当します。ケアラーが介護者としての役割を担いつつ、仕事や育児ができる、行きたいときに旅行に行ける、趣味の時間を持てる、こうした一生活者として自分の人生を生きるための支援という視点が必要だと考え質問するものです。

高齢者福祉計画と第七期の介護保険事業計画では介護を行う家族等に対する相談・支援体制の充実が盛り込まれています。これは大きな進歩であると感じています。

ケアラーとは様々あります。年齢、家族関係、遠距離などいろんなケアラーがいます。つまり、いろいろな介護の形があるということです。そのような介護によって影響を受ける人たちがいます。健康の問題や学業、キャリア形成の問題、離職の問題、うつ症状、心の健康の問題、経済的困窮や貧困の問題、非婚化、少子化、社会的孤立で虐待に至ったり、介護殺人が起こったり自殺ということも起きていきます。介護、看病によってそれが起こっていくということです。一年間の介護離職者は10万人、8割が女性となっています。また、介護しながら働いている人もたくさんいます。昭島は介護をしながら働いている人が圧倒的に多いということもヒアリングでわかっています。ケアラーが要介護者を抱える家族を虐待したことがあるとか憎しみを抱いたことがあるというものは特に認知症の人を見ているという人は憎しみを感じることや、孤立した人が虐待をしている傾向にあります。それから介護疲れストレスを持っている人やケアラー自身が病気や障害のある人などはケアラー全体の中で半分の人たちが状態で介護をしているという現状があります。ここを解決しないと虐待の問題は解決しません。逆にこの問題が解決すれば虐待は少なくなるだろうと考えます。虐待する人というのは特別な人なのではないかか、殺人を犯す人は特別な人なのではないかと思うひともいらっしゃるがケアマネさんの調査を受けると自分が受け持っている家庭で殺人や心中があってもおかしくないと半分以上のケアマネさんは答えています。どうしてそれがわかるのかというと被介護者に暴力的な言動をしている。それから不眠に悩んでいる気分も落ち込んで笑顔や口数も減った表情が凍り付いてくるなど変化が見られ、そういう生活、状態の中で介護があるということを認識しなくてはいけないと考えます。これは社会的、経済的リスクにもなります。医療費や介護費用が増大したり低年金になってしまったり生活保護受給者が増えたり国として労働力が不足したり、そうなると税や社会保険料の負担者が減ったりひいては社会経済の活力、持続可能性が低下してゆきます。つまりケアラー支援は喫緊で対応し、介護を受ける人の家族も含めての支援をしっかりと行っていかねばならないということです。そこで質問です。

市はケアラー支援についてどのように考えていますか。

またヤングケアラーの支援については昭島市の対応はどうなっていますか。

【答弁者:保健福祉部長】

ご質問の1点目、ケアラー支援についてご答弁申し上げます。

ケアラーとは、介護、看病、療育、世話、こころや体に不調のある家族への気づかいなど、ケアの必要な家族や近親者、友人、知人などを無償でケアする方のことをいいます。いわゆるインフォーマルケアの担い手であります。

こうしたケアラーの中には、時間的な拘束により、負担感や孤立感を抱え、生活に影響が生じている方がいらっしゃることも事実であります。

介護など、ケアの社会化を進めることは、福祉制度の基本的な考え方の一つであります。しかしながら、こうしたケアを、一定程度、家族などが担うことは、通常想定されることでもあります。

家族などのケアラーが、身体的、精神的、更には経済的な負担を抱え、ケアを担うことにより社会生活に制約を受けることがないようにすることが、大切であり、ケアラーへの支援を広げて行くことが、良いケアの実現につながるものと考えております。

現時点におきましても、在宅介護リフレッシュ事業など、ケアラーの支援に取り組んでおりますが、ケアラーの抱える様々な課題を、社会で広く共有し、市民の理解を広げる中で、関係機関の連携による包括的な支援が行えるよう、体制の整備に努めてまいります。

次に、ヤングケアラーへの支援についてであります。小・中学生がヤングケアラーとして家族や近親者などを無償でケアする状況は、自分が役に立っていると感じたり、家族との結び付きが強まったと感じたりすることもある一方で、ケアが児童・生徒にとって過度な負担になっている時には、児童・生徒本人の心身の発達や人間関係、勉強、進路などにも影響を受けることがあります。

学校では、児童・生徒の様子を日常的に観察することを通して、児童・生徒の様子の変化を捉え、担任が面談や家庭訪問を行ったり、スクールカウンセラーにつなげたりして児童・生徒の状況を把握するとともに、状況に応じて、子ども家庭支援センターなどの関係機関と連携し、きめ細かな支援に努めてまいります。

以下、2回目以降の質問【答弁者:保健福祉部長】

(質問内容・主旨)

医療的なケアが必要な要介護者が短期的に入所できる施設はどの程度あるのか、あるなら利用頻度は

 

(答弁内容・主旨)

介護保険や障害福祉のサービスとして、ショートステイの制度があります。介護保険のサービスでは、介護老人保健施設を利用したショートステイで、医療的なケアにも対応しており、平成29年度の利用者は、延べ人数で、420人となっております。

障害福祉のサービスでは、東京小児療育病院、東大和療育センター及び府中療育センターなどが医療的なケアにも対応しており、平成29年度の利用者は、延べ人数で、106人となっております。

また、そのほかのショートステイの施設においても、看護師の配置状況などにより、対応が可能な場合もあります。

(質問内容・主旨)

24時間の在宅医療ができる医療機関はどのくらいあるのか

 

(答弁内容・主旨)

市内では、2ヶ所の病院と5ヶ所の診療所が対応いたしております。

 

(質問内容・主旨)

サロンや居場所を作っていくことが必要であると考えるが、市はどのように考えるか

 

(答弁内容・主旨)

ケアラーが抱える不安や悩みを共有し、気軽に相談ができる場所を整備することは、ケアラー支援の基本的な取組の一つであると理解をいたしております。

サロン活動の中で、こうした取組を進めることができれば、ケアラー支援の大きな柱となります。引き続き、こうした視点を含め、サロン活動の推進に努めてまいります。

 

(質問内容・主旨)

相談支援センターを置き、福祉やハロワにつなげる機関を作ることに関して市の考えは、訪問相談事業で相談を受けた場合の連絡先は

 

(答弁内容・主旨)

現時点においても、ケアラーの相談には、市の窓口や地域包括支援センター、くらし・しごとサポートセンターなどで、丁寧に対応いたしております。

こうした窓口では、自らが対応するだけではなく、必要な支援や専門の窓口につなげて行くことも、当然のこととして実施をいたしております。

こうしたことから、現時点におきましては、相談機関を新たに設置する考えはございません。

また、訪問相談において、相談を受けた場合は、ケアの対象や相談の内容により、判断することとなります。

 

(質問内容・主旨)

ケアプランの中で介護者の仕事と介護の両立を加味したプランを作っていくべきでは

 

(答弁内容・主旨)

ケアプランはケアが必要な方本人の支援に関する計画ではありますが、当然のこととして、その方を介護する家族の状況なども含め、総合的な視点にたって策定をするものです。介護者の仕事と介護の両立だけではなく、健康の維持や社会生活全般について制約を受けることがないよう、十分配慮しております。