2019年6月議会 篠原ゆか 一般質問報告②化学物質の害(香害、殺虫剤)、市の対応について
大綱2 化学物質の害(香害、殺虫剤)、市の対応についてお聞きします。
香害については昨年の6月にも一般質問で取り組ませていただきました。周囲では、だいぶ理解が進んできているという印象があります。私たちの生活に欠かせなくなった香料入りの柔軟剤や消臭剤、虫よけ。こういった製品の中に含まれるか化学物質がきっかけで増えてきている化学物質過敏症。いったん化学物質過敏症になってしまうと、治ることはなく、一生その病気と付き合っていかなくてはなりません。先ほど大綱1で質問した不登校の原因になっていることもあります。
2016年の市民が行った調査で、柔軟剤や消臭剤などの香りを謳う商品からイソシアネートが検出されています。
柔軟剤の香りの持続のために使われる徐放剤(徐放剤とは薬物を徐々に放出するように製剤学的な工夫を施した薬剤。薬物の放出を遅らせるために高分子化合物でできた皮膜で薬物を覆ったり小さな穴を持つ粒子に薬物を吸着させたりしているもの)として柔軟剤の香料成分を「イソシアネート」原料のマイクロカプセル(ポリウレタンカプセル)に包摂しているのです。以前の一般質問でもお話しした通り、イソシアネートにはトルエン(シンナーの主成分)の1万倍もの毒性があるといわれています。
なぜ、各メーカーなどがこのイソシアネートを使っている可能性が分かったかというとメーカーの特許に例としてイソシアネートを使う方法があげられていたからです。特許を取っているということはその製法で作られているということになります。
そしてこのイソシアネートには「発がん性物質」が含まれています。ただの香りと思いますが、私たちの健康を確実に蝕むものなのです。症状は不快感だけでなく、咳、頭痛、吐き気、喘息などがあります。また、このイソシアネートポリマーは海洋汚染物質の原因として話題になっているマイクロプラスチックと同種のものです。
香害は、受動喫煙にたとえられます。副流煙と同じように自分がそのものを使っていなくても、ほかの人が柔軟剤を使った服を着ていたら否が応でもその周辺の空気を吸わねばなりません。いい香りとして使っているものが実際には私たちの健康リスクを高め、環境も破壊しているのです。
昭島生活者ネットワークで行ったアンケートでは、香りによって気分が悪くなったことがあると回答した人数は35人中17人でした。また、6月初旬に行われた消費生活展でも、香害についてのアンケートが行われていました。香りが原因で体調が悪くなったと答えている人が25人もいました。場所も家、道路、電車やバス、商業施設、公共施設などありとあらゆる部分で香りが放たれていることがよくわかります。そしてなんといってもこの香害や化学物質は子どもたちにも重大な健康リスクを引き起こさせます。アトピーの方などは柔軟剤を使った衣服を着用すると皮膚がかゆくなることもあります。体操着や給食着なども柔軟剤を入れて洗濯するため匂いがずっと続き、匂いが取れないなどのお声もいただいています。大人よりも許容量が狭い子どもに柔軟剤や消臭剤を使うことは非常に危険であると考えます。そこで質問です。
細目1 消費者啓発についてお聞きします。 昭島市のHP、ツイッター、での啓発、公共施設において、香りに関する呼びかけのポスターで啓発を促すべきと考えるが、市の考えをお聞かせください。
【答弁者:保健福祉部長】
御質問の2点目、香害について御答弁申し上げます。日常生活では、消臭剤や柔軟仕上げ剤など、様々な香りに触れる機会が生じますが、香りの感じ方には個人差があり、自分にとっては快適と感じるものも、他の人にとって不快である場合もございます。人工的な香りにより、頭痛や不快感などの体調不良が誘発をされるのが、香りの害、香害で、化学物質過敏症の一つとも受けとめられております。
こうした香害について、市民への周知を進めるため、ポスターやホームページなどを活用してはとの、ご提言をいただきました。健康被害の視点からの周知につきましては、身体的影響をもたらす原因が特定をされていないことなどから困難性もございます。しかしながら、香りのある商品の使用に関するマナーの喚起などにつきましては、他市での取組なども参考としながら、本市としてどのような対応が可能となるのか、引き続き、研究をいたしてまいります。
細目2 学校の環境について 給食着や、体操着などについて、香り付き柔軟剤を使うべきではないと考えますが市の考えをお聞かせください。
【答弁者:保健福祉部長】
給食着や体操着などについて、香り付き柔軟仕上げ剤を使うことを制限している学校はございません。しかしながら、強い香りにより不快感をもつ児童・生徒がいることを各学校に周知いたしてまいります。
細目3 職員、教職員、子どもに関わる人への研修についてお聞きします。 香害、化学物質過敏症への研修を行い、周知徹底を図るべきと考えるが、市はどう考えますか。
【答弁者:保健福祉部長】
職員や教職員に対する研修につきましては、各市の対応なども参考としながら、接遇研修などの中で、香りのマナーについて項目に加えることなどを、今後、検討いたしてまいります。
また、子どもに関わる人の研修に関しましては、それぞれの所属場所での対応のほか、先ほどのポスターやホームページの活用なども含め、機会を捉える中で、化学物質過敏症に関する情報の提供に努めるとともに、特定のにおいにより気分を害する場合があることや、こうした状況に誰もがなる可能性があることについて、周知を図ってまいります。
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昭島市のインターネット映像配信からは、再質問含めご覧頂けますのでご利用下さい。http://smart.discussvision.net/smart/tenant/akishima/WebView/