2021年6月議会 林まい子一般質問概要 ①まちづくりの市民参加について
◆林まい子 大綱1 まちづくりの市民参加について
20年先まで見据え、市民・企業・行政が一体となって取組むまちづくりの方針となる昭島市都市計画マスタープランが本年3月改定されました。
同プランの諮問があった3月29日の都市計画審議会では、昭島駅北口の広大な「水と緑を守り育てるゾーン」を所有する民間事業者の土地売却が明らかになりました。現在、緑の拠点として、また、災害時の防災拠点としての役割も担う重要なエリアです。
審議会では、「緑の拠点であることに変わりはなく、事業者が事業を行うに当たっては、その点を十分に認識した上でマスタープランに合わせた事業をしていただくよう考えている」こと、また売り主に対し、「協定書や覚書等、昭島市と交わした内容について買主へ伝え、市のまちづくりの理念を理解するよう依頼をしたところ、市のマスタープランを踏まえ昭島駅北口の開発を行うとのはなしであった」との市からの説明がありました。
しかし、マスタープランは民間事業者による開発事業に対し法的拘束力を持たず、当該地は、準工業地域でもあります。果たしてマスタープランと整合性をもち、市の理念を踏まえたまちづくりとなるのか、市民の声は活かされるのか懸念が残ります。
また、市の緑率内に占める当地の割合は7.8%です。次期昭島市環境基本計画のパブリックコメントで当件に関する意見が6件寄せられていましたが、緑率の目標値やその他環境施策との整合性もどうはかるのでしょうか。
かつては考えられなかったような夏日や風水害など、気候変動を皆さんも肌身で感じていることと思いますが、当該地区が今後もし開発されれば、植物による二酸化炭素量吸収減となり、大気温を下げる機能がなくなる一方、交通量増加による温室効果ガス排出量増加の懸念がでます。また、当地には、植物や生き物の豊富な地域も含まれている点でも非常に重要です。例えば鳥類でいうと、繁殖地、越冬地、渡りの中継地として非常に重要な意味がある場所です。
大きな視点では、今月閣議決定された「環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書」では、新型コロナウイルス感染症の世界的流行と、気候危機や生物多様性の損失などとの密接な関連性を指摘しています。一つひとつの選択が各地で重ねられた結果が、様々な形で国境を越えて私たちや次世代の暮らしに大きくはねかえってきます。
緑地保全は気候変動対策、災害対策、生物多様性の維持、水循環等、地球環境保全に直結しており、緑地は次世代のためにも守らねばなりません。
昭島市環境基本条例 第6条では、事業者の責務として「事業活動を行うにあたっては、環境への負荷の低減に努めるとともに、その事業活動に伴って発生する公害を防止し、又は自然環境を適正に保全等するために必要な措置を講じなければならない」ことが謳われていますが、いかにして条例を実のあるものにするのでしょうか。
今回2点の問題があります。
まず、各種計画や要綱があるものの、民間事業者への拘束力がない状態であり、広大で重要な意味をもつ土地であるにも関わらず、市が今後どこまでイニシアチブを発揮できるのか現時点で定かでないこと。
次に、市民への情報公開や、市民参画のあり方が定かでないことです。
そこで質問です。
細目1 昭島市の都市計画と大規模開発について
一点目、都市計画マスタープランとの整合性を確実に担保するための事業者への対応を教えてください。
【答弁 都市計画部長】
ご質問の1点目まちづくりの市民参加についてご答弁申し上げます。
はじめに、昭島市都市計画マスタープランとの整合性を担保するための事業者への対応についてでございます。
本市には、都市計画マスタープランのみならず、総合基本計画をはじめとして、市民参画を得て策定いたしました各種計画がございます。開発事業者に対しましては、これらの計画等を踏まえた開発計画の検討を求めてまいります。
◆林まい子 二点目、今後、市民へ情報開示し、その声を聴取しますか。
【答弁 都市計画部長】
次に、市民の皆様への開発に関する情報開示及び意見聴取についてでございますが、昭島市宅地開発等指導要綱では、要綱に基づく事業計画の同意・協議申請を行う前に、近隣への計画の周知・説明及び必要に応じた説明会の開催等を求めており、事業者において、誠意をもって対応すべき事項であると捉えております。
◆林まい子 三点目、市民がまちづくりに関わるためのまちづくり条例制定について考えを教えてください。
【答弁 都市計画部長】
次に、まちづくり条例の制定についてでございます。
まちづくり条例に規定されている内容は、開発許可の基準の他、都市計画手続きや市民参画によるまちづくりに関する規定等、自治体により多様であります。
なお、本市は、まちづくり条例は制定しておりませんが、大規模開発事業につきましては、独自の条例により設置しております都市開発対策審議会においてご審議をいただいています。
こうした既にある仕組み等を踏まえ、条例制定の必要性又はその内容について、引き続き検討してまいります。
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