2024年9月一般質問:大綱③GLP昭島プロジェクトについて

9月議会の一般質問が終わりました。

1時間の質問持ち時間のなかで、一問一答方式を選び、毎回質問に臨んでいます。
一問一答の再質問前、1回目の質問と市の答弁を以下に書き出します。

※再質問部分については、任期中は市の公式HPの動画からご覧頂けます。以下リンクの29分ごろから一問一答が始まります。
https://smart.discussvision.net/smart/tenant/akishima/WebView/rd/speech.html?council_id=50&schedule_id=4&playlist_id=1&speaker_id=29&target_year=2024

【林質問】

大綱3 GLP昭島プロジェクトについて

細目1 環境保全等について

同プロジェクトについては再三議会で取り上げていますが、前回の定例会からこの間、事業者が実施した6月の説明会では、2回とも市民の不安や怒りがおさまらない状況であり、7月・8月に開催された東京都環境影響評価審議会でも、委員からの重要な指摘が多岐にわたりました。1年前、「GLP昭島プロジェクトについて昭島市の上位計画と整合し法令に則ったものとなるよう真摯な協議を昭島市に求める陳情」も採択されています。市の計画と整合性がとれず、住民の安全・安心や命への懸念も残るまま拙速にプロジェクトが進むことは到底容認できないと冒頭意見した上で、環境保全につき何点か質問です。

一点目、現計画では、市全体のCO2排出量の約4倍、電力消費量も約6倍の試算があります。今朝の新聞で昭島市の脱炭素に向けた取り組みが報じられていましたが、CO2排出量が市の計画と桁違いでは市の尽力も吹き飛びます。その後の事業者との協議内容、また再エネ100%以外に何を求めているかお答えください。

二点目、見解書では、夏日での計画地内及び周辺の地上部での気温の変化は小さいとしています。一方、データセンターの排熱は市全体の排熱の約3.5倍にも及ぶ試算をする国立研究開発法人の専門家もいます。日本最大規模の建設計画であり、GLP自身運用しているデータセンターの事例がまだない状況では、入念な対策を講じるべきです。条件の悪い気象条件でもわずかな気温上昇しかないと明記した上で、万一の際には緊急時の停止条件まで求める公害防止協定締結の考えがあるかお答えください。

三点目、2022年グリーンピース・ジャパンが「都市樹木の冷却効果ー明治神宮外苑のケーススタディー」を実施しました。その際の赤外線サーモグラフィ画像のひとつをご紹介します。このパネルをご覧ください。緑の箇所は葉と枝が集まった部分の表面温度で27~29度、黄色い箇所は日影の舗装の表面温度で29~32度ですが、赤い箇所は日向の舗装の表面温度で43~47.5度であり、その気温差は最大約20度にも及びます。ヒートアイランド対策もかね、樹木を1本でも多く残すよう求めるべきです。とくにデータセンター北側は緑地となる計画ですが、かつてはゴルフ場の通路で樹木がないエリアがあったり、玉川上水の蓋掛け箇所は樹木も少ないことを踏まえ、高木の植栽を求めるべきと考えます。お答えください。

四点目、見解書では、雨水浸透は、全浸透であるため著しい影響は生じさせないとしていますが、気候が激甚化しています。雨水浸透の協議状況と市の見解をお答えください。

以上、趣旨をお酌み取りいただき、明確なご答弁をお願いいたします。

【環境部答弁】

ご質問の3点目、GLP昭島プロジェクトについてご答弁申し上げます。

初めに、温室効果ガス排出量の削減についてであります。

市では、地球温暖化対策実行計画に基づき、2050年カーボンニュートラルの実現に向け、市域の温室効果ガス排出量について2030年カーボンハーフを、また、市の事務事業に伴う温室効果ガス排出量について2030年カーボン25(ワンクォーター)をそれぞれ目標として掲げ、脱炭素化に向けた取組・行動を実践しているところであります。

これらの高い目標を達成するためには、市民・事業者・行政の連携・協働が不可欠であり、本年1月に開発事業者から提出されたGLP昭島プロジェクトに係る環境影響評価書案に対する地元市長として、温室効果ガスに関し、「一層の温室効果ガス排出量削減に努めること」及び「物流施設及びデータセンターで受電する電気は、積極的に再生可能エネルギー100%由来の電気を調達すること」等の意見を提出したところであります。

開発事業者との協議においては、環境影響評価書案で示された温室効果ガス排出量の根拠を改めて確認するとともに、その削減等について話し合いを行っております。具体的には、空調やサーバー等を最新の高効率機器とし、使用電気の更なる削減、PUEの向上に努めるとともに、調達するエネルギーについて、再生可能エネルギー100%電気等を導入することなどを求めております。

次に、公害防止協定についてであります。

電力消費及び室外機からの排熱に伴うデータセンターを中心としたエリアでのヒートアイランド現象発生の恐れについては、開発事業者との協議の場で改めて確認しており、開発事業者からは、排熱シミュレーションを行っており、近傍の熱環境については本計画により大きな変化は無いと想定しているとの回答を受けております。現在、緊急停止などを含めた公害防止協定を締結する考えはございませんが、今後、本開発に伴いまちづくりに関する包括的な協定を検討しており、その中で環境への配慮を求めてまいります。

次に樹木が少ないエリア等への植栽についてであります。

市といたしましては、令和4年11月に行った要請の中で、「緑の消失や分断を最小限に抑えること」を求めるとともに、環境影響評価書案に対する地元市長として、「既存樹木を最大限活用するとともに、新たな植樹・更新も踏まえた植栽計画とし、安定した緑量及び植生を維持するよう」意見を提出したところであります。

引き続き、開発事業者との協議の場において、緑の無いエリアや少ないエリアへの、周辺環境に適合した樹木の移植や新たな植樹などを行い、積極的に緑を増やすよう求めてまいります。

次に雨水浸透についての現在の協議状況であります。

昭島市宅地開発等指導要綱に基づく同意協議申請が、まだなされていない段階ですが、その事前相談として、開発事業者から計画概要等の説明を受けたことから、雨水の処理については、時間60㎜の降雨強度に対して100%区域内処理であることを開発事業者に対して説明しております。