2016年9月議会 おおたけ貴恵 一般質問報告 ①将来を担う子どもや若者に課題を先送りしない「未来(あす)への責任」を強く意識して昭島市が取り組もう(1) 次代をつくる子どもや子育て家庭を支えるまちづくりをしよう
おおたけ貴恵の9月議会の一般質問とその答弁を報告します。
【おおたけ質問】
ただいま議長の指名をいただきました。これより通告にしたがい、一般質問をします。
近隣の日野市議会では、超党派の議員連盟による「子どもの貧困」の問題に取り組み始めました。議長に結成届を提出し、今年6月からスタートし、現在すでに11回検討会が開かれ、10月には市へ提言書を提出し、市の検討に組み込を要求していくそうです。ご存知のように市の福祉に携わってきた日野の市長さんは、子どもの生活実態調査など注目する施策をはじめ、今年度子どもの貧困対策への指針も策定していく方向です。まさに直面する子どもの貧困への課題に対して、市と議会が両輪で取り組む事例ではないでしょうか。
さて私の質問は、大綱2問です。今回の一般質問である 二つの視点 「子どもの政策」「エネルギーの政策」は、首長の強いリーダーシップによって、基礎自治体が取り組み始めています。昭島市においても議会と首長が両輪となって早急に取り組むべきです。
大綱1、将来を担う子どもや若者に課題を先送りしない「未来(あす)への責任」を強く意識して昭島市が取り組もう。についてお聞きします。
細目1、次代をつくる子どもや子育て家庭を支えるまちづくりをしようについてお聞きします。
①夏休みなどの長期休暇中の子ども支援について。学童クラブ(小学4年生以上)へ取り組むべきと思います。市の見解をお聞かせ下さい。
②次に、放課後子ども教室と学童クラブについて、今後の市の考え方をお聞きします。役割の相違について、市としての基本的な考え方をうかがいます。子ども子育て事業計画にもある放課後児童健全育成事業、「国における放課後子ども総合プランに基づき、学童クラブと放課後子ども教室の一体的、または連携による体制整備に努める」とあります。の市の見解をお聞かせください。またその体制整備はどこで議論されるのでしょうか。児童福祉審議会ですか、子ども・子育て会議でしょうか。
③次に、現在夏季のような長期休暇中の放課後子ども教室の開催状況、教えて下さい。
④次に、人材の質の向上に向けて、市の考え方をお聞かせください。東京都が実施する子育て支援員研修への参加状況も含めてお聞かせください。
⑤次に、子ども子育て事業計画を策定し、実施され、1年が経ちました。子ども、子育て支援のニーズを受け止めるための検証、意見を聞く場は、どのようにされていますか。また専門家による昭島市の子ども子育ての支援策の検証もすべきと思いますが、現状をお聞かせください。
例:部署は違えど、昭島市が取り組み、マスコミからも注目されていた「いじめサミット」への子どもたちの参加への取り組みは目を見張りました。福祉の分野にも役立てる手法ではないですか。
【答弁者:市長】
本市においても、社会経済状況の変化に伴い、核家族化、少子化、人口減少が進んでおります。
また、本市における子ども・子育てについても、今日の社会経済状況の一つの反映である経済格差の問題や虐待、青少年の健全育成などさまざまな課題があるところでございます。そのような中で、社会全体で子どもを支援することが重要な課題となっており、子育てをめぐるさまざまな課題に対応するため、平成27年3月に子ども・子育て支援事業計画を策定したところでございます。
国や都においても、少子化対策として数々の支援対策の実施が図られているところでございます。
言うまでもなく、子どもは次代を担い、社会を支える原動力となるものであります。そのため、家庭や地域における幼児期からの教育力の向上が求められ、遊びや地域のさまざまな人とのふれあいを通じ、あらゆる場面を介して、自立心や自制心を培うことが何よりも重要であると考えます。
ご指摘のとおり、解決できる問題に真摯に向き合い、対応を検討することもたいへん重要であると考えるところでございます。
本市においても、少子化傾向は明らかでございます。子育てについて孤立感や疎外感を感じている保護者もいることと感じております。
子育て世代において、医療・手当、幼児教育・保育、学童クラブの需要など、市民のニーズの高まりを感じているところでございますが、それぞれの施策においても家庭での教育が原点にあることで、子どもの自立心が養われ、施策の効果がより発揮されるものと考えます。
平成27年度から本格実施されました「子ども・子育て支援法」におきましても、一人ひとりの子どもが健やかに成長することができる社会の実現が目的とされております。保護者、家庭、学校、地域、職域など社会の構成員皆が役割を果たし、相互の協力が必要であると考えているところであります。
子ども・子育て支援法に基く、「子ども・子育て支援事業計画」の目的は、「すべての子どもが輝き、未来をつくるまち 昭島」といたしました。施策の実施は、子育て家庭への支援、教育環境の整備、仕事と子育ての両立、親と子の健康づくり、安全・安心なまちづくりなど、市政各般にわたるものでございます。それぞれの取り組みを通じて、次世代を担う子どもや子育て家庭への支援に努めるものでございます。
【答弁者:子ども家庭部長】
ご質問の1点目、将来を担う子どもや若者に課題を先送りしない「未来(あす)への責任」を強く意識して昭島市が取り組もうの(1)次代をつくる子どもや子育て家庭を支えるまちづくりをしようについてご答弁申し上げます。
はじめに、夏休みなど長期休暇中の子ども支援についてでありますが、現在、本市の学童クラブでは、4年生以上の取り組みは実施してございません。今まで待機児童の解消策として、1学校区に2つ目の学童クラブを整備し待機児童の解消に努め、一定の成果があったものと考えてございます。しかし、児童福祉法の改正に伴い、年齢の撤廃がなされたことから、4年生以上の受け入れが課題となっていることは、認識してございます。受け入れには、施設の整備等が必要なことから、子ども・子育て支援事業計画では、今後の検討課題としており、国及び東京都の放課後子ども総合プランと並行して検討が必要と考えております。
ご質問の長期休暇中の子どもの支援については、学童クラブのみで対応することは困難でございます。
次に、放課後子ども教室と学童クラブの役割でありますが、学童クラブは、児童福祉法に定められており、就労等により、保護者が昼間家庭に居ない児童へ、授業の終了後に適切な遊び及び生活の場を与え、その健全な育成を図る事業であります。
一方、放課後子ども教室は、全ての児童を対象に放課後、小学校等を活用して、安全・安心な子どもの活動拠点や居場所を設け、地域の協力を得て、子どもたちが地域社会の中で心豊かに健やかに育まれる環境づくりの推進を図る事業でございます。
子ども子育て支援事業計画の中において、『国における放課後子ども総合プランに基づき、学童クラブ及び放課後子ども教室の一体的な又は連携による体制整備に努めます』としております。これは、両事業の児童が、小学校において、放課後子ども教室の開催時に共通のプログラムへ参加できるような仕組みづくり行うものであります。この実施にあたっては、事業計画等への位置づけが必要であり、目標事業量、一体又は連携の具体策、余裕教室等の活用方策などを記載することとなっており、本市においては、児童福祉審議会あるいは子ども・子育て会議において、本年度中に検討する予定でございます。
併用登録については、本年度から全校で実施しており、学童児童も放課後子ども教室に参加することは可能となっており、一定の目標は達しております。しかしながら、共通のプログラムの企画段階から学童支援員と放課後コーディネーター等が内容・実施日等の検討の場を設けるなどの仕組みづくりが必要と考えておりますことから、両事業のスタッフ等の意見をお聞きしながら進めてまいりたいと存じます。子どもの視点でのニーズの把握につきましては、子ども向けの簡易アンケートなどにより実施が可能か検討してまいります。
また、放課後子ども教室は、夏季休業中は実施しておりませんが、学童の4年生以上の受け入れと合わせ、放課後子ども教室の長期休業期間中の開催等も含め研究してまいりたいと存じます。
次に、人材育成についてでありますが、『昭島市放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定める条例』にも規定しており、学童クラブ支援員は知識及び技能の向上に努めなければならないとされ、また、事業者は、資質の向上のための研修の機会の確保をしなければならないとされております。学童クラブ支援員は、5年間の経過措置はございますが、東京都の実施する放課後児童支援員研修を修了したものが資格要件となっており、現在、従事している支援員につきましては、昨年度より順次受講し、今年度末には全体の約65パーセントの支援員の受講が終了いたします。そのほか、市主催で実施する年2回の研修に加え、委託事業者においても研修等を実施し、資質の向上に努めております。一方、放課後子ども教室は、東京都等での研修の案内はしておりますが、受講には至っておりません。しかしながら、配慮を要する児童への支援における研修等については、重要であると考えておりますことから、市主催で研修を実施する予定でございます。
次に、昭島市が率先し、子どもの貧困対策に取り組もうのうち、ひとり親家庭の状況から何が見えてくるかについてご答弁申し上げます。
国の調査によりますと、「ひとり親と未婚の子」のみの世帯は平成27年現在86万5千世帯、構成割合としては全体の7.3%となっております。
また、平均年間就労収入につきましては、一般世帯の女性平均収入269万円に対し、母子世帯の平均年間収入は181万円となっております。就業率につきましては一般世帯の女性64.4%に対し、80.6%と母子世帯のほうが就業率は多くなっている現状です。このような背景から、ひとり親家庭における就業については非正規雇用が多く、平均収入は少ない現状であると考えます。
本市におけるひとり親家庭の状況につきましても国の調査と同じく平均就業率は高いが、平均収入は一般世帯と比較し少ない現状と思われます。
次に、「子どもの生活実態調査を取り組むべき」についてご答弁申し上げます。
子どもの生活実態調査の実施につきまして、これまでもご質問やご意見をいただいているところですが、子ども達の安心と健やかな成長につながる施策を展開する上で、子ども達の置かれている状況を的確に把握することの必要性を感じております。
政令市などにおいては、各々の手法で調査を行い、子どもの貧困対策に関する計画の策定が進められつつあると伺っております。
なお、本市を含め、各自治体では実態調査にかかる人的、財政的な負担の大きさや、調査の手法、国や都との連携についての方向性が見いだせないことなどのさまざまな課題があることから、実施に至らない状況にあります。
日頃から、国や東京都、他の自治体の動向を注視しており、国では「子どもの貧困実態を把握・分析するための調査・研究をする」とされており、各省庁で子どもの貧困に関連する調査の結果が示されております。
また、東京都では、いくつかの自治体と連携し「子どもの生活実態調査」に取り組み始めたところです。
現在、調査実施のさなかであり、調査に関する詳しい情報が得られておりませんので、引き続き調査、研究に努めてまいります。
なお、子どもの貧困対策にかかる指針の策定についてでございますが、子どもの貧困状況に即した指針でなくてはならないため、子どもの生活実態調査と連動させて、指針内容を精査していく必要があると考えます。指針につきましても、調査・研究をしてまいりたいと考えております。