2017年3月議会 篠原ゆか 一般質問報告 ②若い世代が活きる昭島市へ
【篠原質問】
大綱2「若者が活きる昭島市へ」についての質問をします。
日本人の若者の自尊心が低いことがたびたび指摘されることがあります。日本の若者はなぜ自尊心が低いとされるのでしょうか。そこには自分自身の意思決定の場があまりないということがあげられると考えられます。家族や、学校、進路、仕事について、「こう生きることが人間的である」という概念が邪魔をし、その人がその人らしくあれるために人生の様々な機会に訪れる意思決定の場で人間的であることが優先されてしまいます。性的役割分業であるとか、子どもは受験をしていい企業に入るためにいい大学へ入るであるとかというレールの上で考えるため、自分のやりたいこと、自分がしたいことをするのに必要なことという視点でなく、自分としてはやりたくないことであっても、やらなくてはならないことに生活のほとんどが占められてしまうことが意思決定する場を奪ってしまうということがあると考えられます。決められた枠の中で考えることでは自尊心に結びつかない。こういった点が、若者の自尊心の低さに表れているのではないでしょうか。そのような中で、教育では現在、自分で考え行動するカリキュラムなどが組まれ、取り組まれてきています。しかし、そういった教育に恵まれなかった世代が次の時代を担っていくわけです。社会参画とは「意思決定の場」であると考えます。そう考えるとき、若者たちは議論をしてみんなで考え、意思決定を行っていくという経験を得ていかねばならないと考えます。そういった点でも、若者の社会参画は行っていかなくてはならないことであり、若者たちが考え、行動することによって地域が変わっていくことで若者たちは自尊心を取り戻すことと同時に自分の生きていく地域を考え、昭島市の未来を考えながら意思決定を行うことが非常に重要であると考えます。また、若い感覚で考えるまちづくりを地域や市政に反映していくことで昭島市が発展していくことも可能なのではないでしょうか。
現在、様々な自治体で若者参画が進んできています。愛知県新城市では平成26年12月に「新城市若者条例」が策定され、その文言には、「市民が主役のまちづくりを推進することで元気に住み続けられ、世代のリレーができるまちを目的とし、若者を応援し、若者が学校や会社に限らず地域活動、市政等のあらゆる場面でより一層その能力を発揮して活躍することができる環境を整えこのまちに住みたいと思える魅力あるまちを作り上げることで実現されるものである」と明記されている素晴らしい若者条例です。その若者条例を受け、平成27年度には、若者会議が立ち上がり、若者総合政策がつくられ、若者が考える市のPR,図書館、防災、健康など様々な面から市の課題を把握しそれに対する政策を考え、その政策が実際に形になることを経験します。また、楽しいイベントなども考え、実行しています。任期は一年間。様々な新城市の若者たちが新城市の未来を考える場が作られています。市長が市長選挙の時おっしゃっていた、「若者が、ちょっといいじゃんと思える昭島市にしたい」という発言に非常に共感いたします。そのためにも、若者参画でまちづくりを考えることが必要なのではないでしょうか。
そこで質問です。
細目1 若者がまちづくりへ参画することについての、市の基本的な考え方をお聞かせください。
細目2・まず、若者がまちづくりを考えるときの下地作りとして、まちを知ることが重要だと考えます。若者だけの市内ツアー「昭島市を知る」企画を行ってみてはいかがでしょうか。
このツアーでは若者同士の交流や仲間づくりなど、就職しても昭島市にいたい、いったん昭島市から出ても、また昭島市に戻ってきたい。と考えるきっかけにもなります。昭島市の水、や昭島市の史跡めぐりなど、詳しく知れば知るほどお面白い昭島市の魅力を若い人たちに知ってもらうことが必要ではないでしょうか。市のお考えをお聞かせください。
細目3若者が考える将来の昭島像とそれに向けた政策作りについてお聞きします。
昭島市ではこれまで子ども議会が開催されています。子ども議会も大変良い取り組みだと考えます。山形県遊佐町では遊佐町少年議会というものがあり、若者によるまちづくりを目指し、市内の中高生があつまり少年町長、少年議員を直選挙で選び少年議会を開催しています。遊佐町若者代表として中高生の政策を議論し、きめています。町ではその政策を尊重し実現を図り、また少年町長、少年議員は自分たちの決めた政策を実現していきます。これはかなり進んだ取り組みになるとは考えますが、ゆくゆくはこういったことを行っていくことも必要だと考えます。まずは、もっとたくさんの小中学生が参加できるように、昭島市のワークショップを行っていってはいかがでしょうか。どんなまちにしたいか、ドどんなものがあったらいいのか、そういったことをワークショップ形式で話し合っていく、または「昭島市の水について」や、「昭島市の遊び場について」など、テーマを決めて話し合い政策提言を行っていくことも非常に面白い取り組みであると考えますが、市はどのように考えますでしょうか。
以上で質問を終わります。明確な答弁をお願いいたします。
【答弁者:市長】
私は、昨年の市長選挙におきまして、安全・安心なまちづくり、教育・子育て支援、高齢者対策など、7つの柱を立て、また、北川市政の継承・発展を基本として、「住んでみたい 住み続けたい 昭島」を目指すことを掲げ、多くの市民の皆様から市政の付託をいただいたところでございます。
子どもから高齢者まで誰もが、安全・安心に暮らせるまちづくりが、若者にとっても希望が持てる「住み続けたいまち」でもあり、そのことを基本として、ソフト・ハード両面からの取り組みが必要であると考えております。
子どもたちが、心身ともに健やかに成長するまちを基軸とし、若者が活気に溢れたまちは、住みよいまちの条件であると考えております。
昭島の未来を担う若者たちが、この郷土昭島に関心を持ち、自ら考え、自ら行動することが重要であると考えます。その一助となる、自主的な学習意欲に応えることができる施設といたしまして、児童センター及び青少年交流センターの充実に努めてまいります。また、(仮称)教育福祉総合センターにおいても、グローバル社会に向きあわざるを得ない若者たちが、生きる力を培い、昭島の良さを知り、『昭島っていいじゃん』と思い、住み続けたくなるような施策について、一歩一歩推進してまいります。
【答弁者:子ども家庭部長】
ご質問の2点目、若い世代が活きる昭島市へ 若者が昭島に関心を持つきっかけづくりについてであります。
次代を担う若者が、住んでいるまち昭島を知って、関心を持ち、自ら学び、行動することは、たいへん重要な事であると認識しております。
現在、市では、若者が昭島に関心を持っていただく施策の一つとして、岩手県岩泉町との小学生国内交流事業や中学生海外交流事業を実施しています。
まずは、住んでいるまち昭島を知り、学び、そのうえで他の町を知ることにより昭島の良さが再確認できるものと考えております。
また、秋に実施されます青少年フェスティバルも、若者が昭島に関心をもってもらえる大きな行事であると考えております。青少年フェスティバルは青少年自らが約一年をかけ企画・運営をし、イベント当日においてもすべての作業を把握しながら自ら実施しております。何十回にもわたり協議を重ね、試行錯誤しながら当日を迎えております。お客様の笑顔を見られた時の満足感や充実感は体験しないと味わえないと話しており、市の一大行事を成し遂げたという自信にもつながっているものと思われます。
ご質問にありました若者向けの昭島を知る市内ツアー、ワークショップなどにつきましては、現在、実施しております文化財めぐりツアーや昭島観光まちづくり協会で実施しております市内めぐりツアーなどの事業と合わせ、多くの若者が参加しやすい事業として実施できるか、可能かどうかも含めて検討してまいります。
次に、若者が考える将来の昭島像とそれに向けた政策作りについてであります。
ご質問の中でご紹介されました、遊佐町、新城市の取組につきましては、各市や町の現状から若者自身が地域社会の一員であることを自覚したところから、発展していったものと認識しております。
小中学生のワークショップからの政策提言、そこから若者会議へと発展させていくなど、ご提案いただきました事業につきまして、先進自治体の状況を参考にさせていただきながら、どのような形で反映が可能かどうか研究してまいります。