2015年9月議会 おおたけ貴恵 一般質問報告 ③ 防災機能を高める公園づくりについて
【おおたけ質問】
最後に大綱3、災害時に防災拠点・一時避難の場所としても機能する公園整備を市民とともに進めようについて、お聞きします。
多摩直下型地震は、多摩直下を震源とし、発生確率が今後30 年間で約70%と高い地震です。立川断層帯地震は、発生確率は低いとされていますが、過去の阪神淡路大震災や東日本大震災においても想定外の巨大地震により大きな被害が発生しています。常緑樹の防災林があれば役立つことは、阪神淡路大震災や東日本大震災時で示されています。関東大震災の時、元陸軍の被服工廠は、4万人もの人が亡くなっています。一方、常緑広葉樹で囲まれた岩崎庭園では火災による死亡者がなかったと報告されています。シイ、カシ、タブノキなどの常緑広葉樹は、「火防木(ひふせぎ)」と言われ、防火・防災機能を果たすことがわかっています。常緑広葉樹はこれから植えれば、20年から30年で本格的な効果が望めます。
以前紹介した放射温度計で公園の表面温度を測ってみました。とくに今年は猛暑日が続きました。公園のアスファルトの上は50℃もありました。木陰のない遊具も50℃を超えました。それが緑陰や木陰があることで、34℃になり、日差しが和らげました。
ふるさとの木として、昭島の常緑広葉樹の種から育苗し、植樹し、地域住民や、子どもたちとともに公園づくりをし、管理もアダプトで地域コミュニテイがし、日ごろより防災機能を高める公園づくりに取り組んではどうでしょうか。日頃の暮らしの中で、心地良い空間を地域住民と作ることでいざ災害時にも役立つのではないでしょうか。
都会の中での身近な地産地消のエネルギーについても、非常に興味深い取組があります。東京都環境公社は、国内で初めてとなる携帯電話のソーラー充電スタンド「シティーチャージ」の設置を進めています。大手通信会社がニューヨーク市と協力し、太陽光発電で携帯電話が充電できる「ストリートチャージ」を市内公園に設置。高さは4メートル、充電速度は通常のコンセントとほぼ同じだそうです。導入のきっかけは、2012年のハリケーンで、ニューヨークで大停電が発生し、電力系統とは独立した充電ステーションのニーズから導入されました。東日本大震災では、分散型電源の必要性も実感しました。災害時の電源確保の重要性も、私たちは計画停電で経験済みです。東京都環境公社は、今年の秋にもシャープ(株)と協力し、ソーラー充電スタンドを東京タワーと虎の門ヒルズに設置を予定しているそうです。今回提案するソーラーシェアリングで太陽光発電をし、充電スタンドがあれば、日頃も活用ができ、いざ災害時にも役立ちます。ソーラーシェアリングは、以前、持続可能な農業経営と太陽光とのシェアという視点で質問をさせていただきました。今回は防災機能を高めるという視点で質問します。公園のお砂場、あるいは花を育てる場としても日陰を作り、トイレや街路灯の電源としても普段は活かせ、いざ災害時には電源としても活用できるソーラーシェアリングについて、公園への設置導入に取り組んではいかがでしょうか。
防災公園への今後の取り組み方も含め、昭島市の考え方をお聞かせ下さい。
とくに木造住宅が密集していて、公園の少ない玉川町3丁目や 松原町の4,5丁目など、緑町などどんどん家が建ってきています。いまは畑がありますが、それが家に変わったことを想像してまちづくりをしてほしいと考えます。
以上、明快な答弁をよろしくお願いします。
【答弁者:都市整備部長】
ご質問の大綱3点目「災害時に防災拠点、・一時避難の場所としても機能する、公園整備を市民とともに進めよう」の細目1「緑陰、木陰と防火機能を高める公園づくりをしよう」につきましてご答弁申し上げます。
始めに、緑陰、木陰と防火林としての公園づくりについてであります。
シイ、カシ、タブノキなどの常緑広葉樹は、根を張ることから揺れに強く、水分を多く含むため火防木(ヒフセギ)の効果があり、阪神・淡路大震災発生時に倒壊する家屋周囲の火災発生の際、多くの人々の命を救ったことから、災害に強いことが証明されております。
既存の公園や新設の公園に樹木の植栽をする場合は、これらの樹木の特性や過去の事例なども参考としながら、防火林としての適正を判断材料として取組をしてまいります。
次に、ふるさとの木として、昭島の常緑広葉樹の種から育苗(いくびょう)し、植樹し、地域住民、子どもたちとともに公園づくりをし、管理もアダプトで地域コミュニティがおこない、防災機能を高める公園づくりにつきましては、どのような取組ができるか、研究してまいります。
また具体的な地域といたしましては、、特に玉川町3丁目、松原4・5丁目、緑町など住宅が密集している地域につきましては、土地を確保して公園を整備することが困難なことから、土地開発計画の時期をとらえて、小規模な公園であってもどのような防災機能をもたせられるか研究してまいります。
次に、細目2「ソーラーシェアリング」を公園への設置についてであります。
現在、災害時にも役立つ公園の取組といたしまして太陽エネルギーによる園内灯を、災害対策用飲料貯水槽が設置されております5か所の公園ほか、合計で8か所の公園において設置されております。これらの園内灯は、電気の蓄電量も少ないことから、他の電気器具への電気供給ができません。広域避難場所、一時避難場所に指定されている公園を主体に、避難場所としての機能の付加価値として、ソーラーシェアリング設置につきましては、他市の取り組み状況なども含め、調査研究してまいります。
【答弁者:市長】
おおたけ貴恵議員の一般質問につきまして、私からは大綱3点目「災害時に防災拠点・一時避難の場所としても機能する公園整備を市民とともに進めよう」について基本的な考え方を御答弁申し上げ、他の質問については、担当部長より御答弁申し上げます。
公園は、市民の皆様のレクリエーションの空間となるほか、良好な都市景観の形成、都市環境の改善、都市防災性の向上、生物多様性の確保、豊かな地域づくりに資する交流の空間となるほか多様な機能を有する都市の根幹的な施設であります。
市民の皆様の利用に供する身近なものから広域的なものまで、様々な種類のものがあり、それぞれの公園の機能が十分に発揮出来るよう、地域的なバランスや防災性の確保を考慮するとともに、地域の特性を活かし、個性と魅力のある公園となるよう整備を進めてまいりました。
公園における防災の視点では、昭島市地域防災計画の減災目標を達成するための主な対策としまして、都市計画公園等の整備や農地の保全による避難空間の確保や既存公園、避難場所等の周辺の緑の確保による避難場所の機能強化と地区レベルの防災活動拠点機能の整備が規定されております。
同様に、東京都においても地震による火災の拡大を防止するため、区市町村と連携を図りつつ、協力して公園等の都市施設等による延焼遮断帯の整備に努めなければならないとされております。
これからも、東京都とも連携してレクリエーションや環境保全の場、都市景観としての機能に加え、災害時に防災拠点・一時避難の場所としても機能する公園整備を市民とともに進めてまいります。