2015年9月議会 篠原ゆか 一般質問報告 ② 子どもたちの学習支援について

【篠原質問

大綱2子どもたちの学習支援についてお聞きします。

2013年には子どもの貧困対策法、生活困窮者自立支援法が相次いで成立し、国を挙げた子どもの貧困対策を行おうという機運が高まってきています。昨年は子どもの貧困対策大綱をだし、今年度2015年から自治体で始まった生活困窮者自立支援制度において、学習支援は家計支援とともに任意事業ということになっています。しかしながら本当に生活が困窮している人に必要なのは子どもたちへの学習支援や、家計相談であり、そこにきちんと国としても支援をするべきと考えます。また、始まった相談事業においても、全自治体の研修が終了するには五年もの時間がかかるという点でも、まだまだ国の対策が遅れていると言わざるを得ません。さて、今回は学習支援という観点から質問を行いたいと思います。自発的に学習するようになるというのはとても難しいことでは有りますが、正に子どもたちの学習支援の中でカギとなるのはどう本人のやる気を出すのかということだと考えます。そして地域でおこなわれている学習支援や学校の土曜補習などに自発的に参加したいと思える環境作りが必要になってくると考えます。そこには安心してそこで勉強をできる「居場所」や、安心してその人に聞くことが出来る「人」が必要だと感じています。まさに学習支援には、場所、人が必要です。今年から学校教育でも土曜補習が行われているようですが実態を詳しく聞いてまいりたいと思います。

まず、細目1、土曜補習についてお聞きします。

この土曜補習の目的についてお聞かせ下さい。

実施回数、参加状況についてお聞かせ下さい。子どもたちにどのような声かけをして子どもたちが参加しているのかお聞かせ下さい。

次に細目2生活困窮者支援事業のなかの任意事業である学習支援についてお聞きします。まず、市として、任意事業の学習支援に取り組むお考えはありますでしょうか。

市内では子どもたちに学習支援をしたいという団体もでてきていています。小学校区単位等で地域の学習支援の場が必要と考えますが、こうした地域の学習支援の場について市としてはどのように考えているのでしょうか。

【答弁者:学校教育部長

大綱の2点目、「子どもたちの学習支援」についてのうち、「土曜補習」についてご答弁申し上げます。

本事業は、児童及び生徒が主体的に学習に取り組み、基礎的基本的な学習内容を確実に身に付けることを目的として、今年度から全小中学校で土曜補習事業を実施しております。

土曜補習事業の実施回数につきましては、年間2回から19回と学校の実態に合わせて行い、平均して1校あたり、年間7回程度実施しております。

参加状況でございますが、各校の平均参加人数は58人となっております。

指導内容は、小学校においては東京都教育委員会から出された「東京ベーシックドリル」で算数を中心に基礎的基本的な内容を進めており、中学校においては漢検・数検・英検などの各種検定講座に向けての学習を行っている学校もあります。

次に、子どもたちにどのような声掛けをしているかについては、全児童・生徒に参加について呼びかけており、希望者が参加できるようにしております。なお、小学校においては、対象学年を3年生または4年生からにしている学校もございます。

補習の指導にあたる指導員については、教育委員会事務局の研修を受講した、教員免許保持者や教員を目指す学生等を配置しております。なお、指導員の多くは普段から学校の教育活動に支援いただいている方で、児童・生徒との関わりを重視して補習事業を進めております。

今後については、各校の使用する教材や実施形態等を中心に取組状況を検証し、より効果のある補習事業を推進してまいります。また、普段から学校で教育活動に支援していただいている方や、昭島に在勤・在住され補習事業に関心のある方に支援いただくことを通して、児童・生徒が過ごす地域で継続的に土曜補習事業を進めてまいります。

【答弁者:保健福祉部長

ご質問の2点目、子どもたちの学習支援についてのうち、生活困窮者自立支援事業の学習支援についてご答弁申し上げます。

生活困窮者自立支援事業は、生活保護に至る前の段階の自立支援策として、生活困窮者に対し包括的な支援を提供する取組であります。事業の枠組みでは、「自立相談支援事業」など、必ず実施しなければならない事業のほか、任意事業として、ご質問の「子供に対する学習支援事業」など4事業が創設をされております。

学習支援事業の目的は、生活困窮状態にあるなど、養育環境に課題があり、支援を必要とする家庭に育つ小・中学生等に対して学習支援を行い、将来の進路選択の幅を広げ、自立した生活を送れるようにすることであり、いわゆる貧困の連鎖を断ち切るための取組であります。

子供の将来がその生まれ育った環境により左右されないためにも、「子供に対する学習支援事業」は大変大切な取組であり、生活困窮者自立支援事業の任意の4事業の中では、優先度が最も高いものと認識をいたしております。

本市におきましては、生活困窮者支援事業の本格実施前から、子どもの学習支援には注視をし、モデル事業実施自治体の動向など、情報の収集に努めてまいりました。こうした中、市内の社会福祉法人から「子どもの学習支援」について、社会貢献策の一環として実施したいとの相談があり、市も事業を協賛する形で、本年6月より取組を開始しております。

また、社会福祉協議会が進めているサロン活動でも、学習支援に取組むサロンがあるとお聞きをしております。さらには、ご質問にもございました、市立学校における土曜補習もございます。

このように、様々なチャンネルで「子供に対する学習支援」が取組まれている状況にあります。

今後につきましては、市内のこうした活動、特に、社会福祉法人の取組などを拡充していくか、また、任意事業として、生活困窮者自立支援事業の枠組みの中で取組を進めるのか、子どもの明るい未来をしっかりとサポートするため、学習支援の取組が効果的で効率的なものとなるよう、慎重に判断をいたしてまいりたいと考えております。

次に、学習支援を実施する場合の、地域的な単位についてであります。ご質問にありましたとおり、小学校区など、地域的な、小さな単位で事業を実施できれば、ベターであると認識しております。しかしながら、こうした取組を進めるためには、事業の実施場所の確保が、大変大きな課題となります。また、実施場所が多くなれば、ボランティアの確保も課題の一つとなります。もう少し大きな単位で、地域的な偏りがないように事業の実施を検討し、実施が可能となったところから開始していくのが、現実的な対応ではないかと考えております。こうした取組を進める中で、地域の中で、個別に手が上がれば、積極的な支援に努めてまいります。

いずれにいたしても、子どもたちへの学習支援は、すべての子どもたちが夢と希望を持って成長していける社会の実現に向け、基幹となる取組の一つであります。貧困の世代間連鎖の解消に向け、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。