2017年6月議会 おおたけ貴恵 一般質問報告 ②昭島市から率先して「蓄雨」に取り組もう
【おおたけ質問】
大綱2.昭島市から率先して「蓄雨」に取り組もう、についてお聞きします。
今、「蓄雨(ちくう)」という概念が注目されています。2016年3月発刊の日本建築学会環境基準「雨水活用技術規準」で新たに示された概念です。そこに書かれていることをここで紹介します。現在、雨の降り方が大きく変化しつつあり、ゲリラ豪雨が各地で起きています。“異常気象”は“極端気象”と呼びかえられ、ごく普通のことになってきました。
これまでの下水道施設や河川だけでは雨水流出に対応できず、流域全体で面的に雨水を管理することが必要です。そのためには、個々の建築敷地などが果たす役割が大きくなってきています。
4つの蓄雨、 1.防災蓄雨(大規模災害対応) 2.治水蓄雨(集中豪雨対応) 3.環境蓄雨(蒸発散・地下浸透) 4.利水蓄雨(従来の雨水利用)という考え方です。平成29年3月にハザードマップが全戸配布されました。水害時の被害を最小限にするため、防災の視点からも常日頃からどのような雨水対策をするのでしょうか。
細目1.雨水利用促進の計画等、昭島市の基本的な考え方をについてお聞かせください
①雨水利用促進のための昭島市の基本的な考え方をお聞かせください。
総合的な治水対策の一環として、雨水の流出抑制により浸水被害を防止するとともに、雨水の有効利用を推進し水資源の有効な利用を図り、あわせて雨水の地下浸透により健全な水循環系の再生に寄与することを目的として、「八王子市雨水貯留浸透推進計画」を平成27年3月に策定しました
②昭島市においても治水、防災という視点を盛り込んだ雨水利用の促進に関して責務明確化するために蓄雨という視点も盛り込んだ雨水の計画を策定すべきと思いますが、昭島市の考えをお聞かせください。
【答弁者:市長】
6月7日に入梅を迎え、東京地方も一年中で最も雨の日の多い時季に入りました。
雨は、少雨のときは渇水対策に、多雨のときは水防対策に頭を悩ませることもありますが、すべての生き物に対し生命の源ともなる恵みの水をもたらす、非常に重要な自然現象であります。
現在、本市においては、雨水利用施策といたしまして、雨水浸透施設や雨水貯留槽を設置した場合に補助金を交付しておりますが、これらの事業は、雨水浸水被害の防止及び軽減、地下水資源の保全及び回復、庭への散水等雨水の有効利用と節水活動の推進を目的としたものであります。
蓄雨という考え方についてでありますが、平成27年3月に日本建築学会が雨水活用技術規準で示したもので、従来の雨を河川に流すという概念から、雨をまちに留め、地下水の涵養や雨水の利用のみでなく大規模災害対応の防災蓄雨や集中豪雨対応の治水蓄雨という形でも利用するという概念へと変えていく、新たな考え方であると認識いたしております。
近年、地球温暖化の進行が懸念される中、局地的な集中豪雨、いわゆるゲリラ豪雨が頻発して全国的に多くの浸水被害が発生し、また、時季によっては、渇水による水不足も発生しております。
本市においては、都市化の進展に伴い雨水が地中に浸透する面積が減少していることにより、湧水量の減少等も懸念されるところであります。
こうした状況を鑑みますと、本市においても、治水や防災という視点を盛り込んだ雨水利用促進、雨水を貴重な水資源としてとらえての雨水が流出しにくいまちづくりへの転換については、今後、しっかりと研究していかなければならない重要な視点であると考えてございます。