2017年9月議会 おおたけ貴恵 一般質問報告 ①「あきしまの水」について感じ、考え、感謝し、そして、昭島に関わる人が昭島で生活する誇りと愛着を育み、昭島市の魅力を市内外へ発信していこう

おおたけ貴恵の9月議会の一般質問とその答弁を報告します。

【おおたけ質問】

週刊ダイヤモンドにおいて、1219の市町村の中で、市の財政力や水の安全度、低廉な水道料金などで昭島の水道事業がトップであった結果は、臼井市長もことあるごとに報告していますが、私もとても誇らしいことだと思います。 現在第5次総合基本計画後半期において、昭島市総合戦略や各分野別の具体的な施策への着実な実施が、「住んでみたい」と思える、人が訪れるまちづくりを進め、魅力ある都市として将来に誇れるあきしまとなることでしょう。

さて今回の質問は大綱3問です。質問を作成するにあたり、様々な事例を挙げさせてただきます。事例を挙げた各自治体職員から私は、直接学ぶ機会がありました。あくまでも他市の事例は、その自治体の中で吟味され、特に市民自治と協働という視点では、その自治体の中で丁寧に作り上げられた制度です。市民自治と協働という視点は、どこの自治体も苦心されています。ぜひ昭島は、昭島流の制度作りに参考にしていただき、昭島が目指すまちづくりをすすめるためには、行政の役割は何か、また市民自らの地域の役割を認識し、積極的に昭島市市政に参加するよう、今回提案をしていきます。
大綱1.「あきしまの水」について感じ、考え、感謝し、そして、昭島に関わる人が昭島で生活する誇りと愛着を育み、昭島市の魅力を市内外へ発信していこう についてお聞きします。
はじめに細目(1)蛇口をひねれば美味しい水を飲むことができる昭島の特性を生かし、デザイン性の高い公共の水飲み場の設置について お聞きします。

東京都はデザイン性の高い公共の水飲み場の設置を始めています。国内外からの旅行客や買い物客らが行き交う東京国際フォーラム(東京・千代田)の地上広場に、冷水機能を付け、子ども用の飲み口も設け、2020年五輪もにらみ、蛇口をひねれば飲める安全でおいしい水道水をアピールしています。水道局のマスコット「水滴くん」の形をしたオブジェのような形状で、地上広場のアクセントにもなっています。 2014年の都議会においても水道局長が「蛇口の水を直接飲めるという日本が誇る文化を継承するためには、おいしさを実感してもらうことが必要」と強調した、そうです。

奈良県生駒市では、市のホームページにマイボトルで給水できる水飲み場を明らかにしています。環境モデル都市に選定されている生駒市の水道水は、深層地下水を汲み上げ、おいしいと感じる成分を損なわないように膜ろ過処理等をした浄水と、“おいしい水”と親しまれてきた吉野川系統等の浄水を奈良県営水道から受水してブレンドしています。これらの水道水をマイボトルに入れて持ち歩けば、ペットボトル等のごみが発生せず、CO2排出量の削減に取り組むことができることを掲げ、2014年(平成26年)に制定された「生駒市環境基本計画」において、給水スポットの整備による「マイボトル持参」の促進を具体的目標としました。“給水スポット”とは、飲食店等の利用客がマイボトルを持参すれば、無料で水道水を入れてもらえるお店のことで、ホームページ記載の2017年8月29日のデータでは、24店舗の登録がありました。また、市内6カ所の公共施設等で、冷たい水道水を飲んだり、給水マイボトルに給水したりできる “水飲み場”を設置し、「生駒の水飲み場・給水スポット」としてホームページ等で紹介することによって、市民へ積極的なマイボトルの活用を呼びかけています。

また、移動式の“給水スポット”として、市のイベントや自治会活動等を対象に、給水機の貸出事業も行っています。

さらに生駒市では、ごみの排出原因となるペットボトル、紙コップ等の使用を控えるため、市役所と市が管理する公共施設から飲料などの自動販売機を撤去するとともに、市が開催する会議では、原則として飲料は提供せず、リユースびんの積極的な利用や”マイボトル”を各自で用意していただくような呼びかけも行っています。 さて昭島市の水について考えてみますと、浅層地下水である湧水、水道水源の飲み水としての深層地下水は、内外に誇れる素晴らしい文化や歴史を引き継いだ路傍の文化であり、自然の偶然から生まれた豊かな恵まれた水環境であり、今を生きる私たち昭島市民が過去の恩恵に感謝し、未来へ引き継がねばならないという思いは、ここにいる皆さんも同じかと思います。
一方民間事業者は、昭島市の観光案内所や国営昭和記念公園の自動販売機でペットボトルにつめた水を販売し始めました。海への深刻なごみであるマイクロプラスチック問題の原因の一つでもペットボトルについては、ごみ削減問題に真剣に取り組む昭島市としてはペットボトルに詰めた水の販売には取り組まないと思いますが、昭島市の水の優位性が注目されている中、民間事業者も水の販売に取り組み始めました。 ならば、市全域でエコなマイボトルの普及もすすめ、昭島市へ訪れたならば、マイボトルで昭島の水に親しむことができる、そんな場所が駅周辺にあれば、素敵ではないでしょうか。

そこでお聞きします。

①現在昭島市には公共の水飲み場はどこに設置していますか。実態を教えて下さい。
②昭島市市域のJR青梅沿線には、昭島市内外から買い物客が多く、特徴あるショッピング施設がある昭島駅周辺や今後国営昭和記念公園を利用する方々が増えると予測される東中神駅等があります。地の利の特徴を生かし、駅を降りたら、蛇口をひねれば美味しい水を飲むことができる昭島の特性を生かし、デザイン性の高い公共の水飲み場の設置を検討してはどうでしょうか。

細目(2)災害時協力井戸への取り組みについて、お聞きします。

この質問は何度も議会でとりあげてきています。 昭島市の特徴は、今でも井戸を大切に使う暮らしの中での井戸水の利用が引き継がれていることです。 地震等の大規模な災害が発生した場合、水道施設の損傷による断水が予想されます。断水時は、飲用水だけでなく「生活用水」(トイレや掃除等に使用する水のこと)の不足も深刻な問題となります。そのような生活用水の不足に対応するため、水道施設が復旧するまでの間は、事前に登録された「災害時協力井戸」をご近所の方々に開放する取り組みを進めてはどうでしょうか。 そこでお聞きします。

①災害時協力井戸の登録状況を教えてください。

②またご近所の方々が災害時に利用できるような表示やマップへの記載等の進捗状況を教えてください。

③以前から提案している災害時に協力してくれる井戸の所有者へ、災害時に電気が止まったときにくみ上げるための発電機の設置、それができないならば、災害時に手押しポンプ設置への支援をすべきと思うが、市の考えをお聞かせ下さい。

【答弁者:市長】

本市のまちづくりの基本として「住んでみたいまちづくり」を掲げ、本市への人の流れを作ることを基本目標としておりますが、我が国では、平成20年より人口減少時代に突入し、地域の維持や、人口の減少の克服という課題に直面しております。本市においても、人口減少が推測されているところであります。

このような状況の中、交流・定住人口を増加させるため、平成27年度より、水道水が深層地下水100%であるという魅力を市内外にPRし、本市が上質な住環境を提供できる自治体であるという、イメージを戦略的に打ち出す「あきしまの水」ブランド構築・推進事業を開始しました。

事業における基本コンセプトとしましては、水が主役ではなく、その恩恵を受ける人々が主役である。また、水のブランド化ではなく、水を使う人びとの、人となりや思い、ライフスタイルをさりげなくブランド化する。さらには、昭島の人に深層地下水を再認識してもらい、誇り、幸せ感を醸成するとともに、他地域の人たちに、昭島の人のライフスタイルが素敵、魅力的と感じてもらうことであります。

目指す将来像としましても、多くの市民の皆様や事業者の方に、多摩川上流部の山地や、武蔵野台地を含む、周辺地域の自然環境の恵みである深層地下水を、日常に使えることへの感謝の気持ちを、常に忘れず生活する、昭島らしいライフスタイルの実現であります。

今後におきましても、「あきしまの水」ブランドを推進し、本市の認知度を高め、住み続けたいまち、そして、訪れてみたいまち、住んでみたいまちと、思っていただける人を増やし、本市への新しい人の流れをつくりだしてまいります。

【答弁者:市民部長】

ご質問の1点目「あきしまの水」について感じ、考え、感謝し、そして、昭島に関わる人が昭島市で生活する誇りと愛着を育み、昭島市の魅力を市内外へ発信していこうのうち、1点目の蛇口をひねれば美味しい水の飲むことができる昭島の特性をいかし、デザイン性の高い公共の水飲み場の設置についてご答弁申し上げます。

はじめに、現在の本市における、公共の水飲み場の設置状況についてであります。

屋外施設の設置状況は、市立公園41園、児童遊園44園や学校等に設置されております。

屋内施設の設置状況は、本庁舎や市立会館など17施設に冷水機22台が設置されております。

次に、駅前にデザイン性の高い公共の水飲み場の設置について検討してはどうかについてであります。

デザイン性のある水飲み場は、「あきしまの水」ブランド構築・推進事業における基本コンセプト「深層地下水を再認識してもらい、誇り、幸せ感を醸成する」とするハード面から有効な取組みの一つであると考えております。

公共の水飲み場の設置につきましては、これまでにも市議会からご質問をいただいておりますが、今後は、交通管理者や道路管理者と協議調整を図り、設置場所の検討や水飲み場と景観との調和などの課題を整理し、検討してまいります。

【答弁者:総務部長】

ご質問の1点目、「あきしまの水」についてのうち、2点目の災害時協力井戸への取り組みについてご答弁申し上げます。

災害時協力井戸の登録状況についてでありますが、現在、113本の井戸が災害時に生活用水の供給井戸として利用が可能となっており、井戸のくみ上げ方法につきましては、電動が109本、手動が4本となっております。

次に、災害時に井戸をくみ上げる発電機の設置やそれが出来ない場合は手押しポンプを設置すべきではについてでありますが、災害時の停電に備えた発電機設置や手押しポンプの設置につきましては、現在の財政状況を勘案する中では、市といたしましては、設置する考えはございません。

災害時等で必要が生じました時には、市の備蓄しております発電機を貸与するとともに、足りない場合には、大規模災害時における相互応援協定を締結している自治体に要請することなどにより、対応してまいりたいと考えております。

次に、ご近所の方々が災害時に利用できるような表示やマップへの記載等の進捗状況についてですが、現在、ホームページへの掲載などについて準備を進めており、再度、井戸所有者にご了承を得た上で、公表方法等の詳細について検討を図り、周知してまいりたいと考えております。