2018年6月議会 篠原ゆか 一般質問報告 ①香害について

篠原ゆかの6月議会の一般質問とその答弁を報告します。

昭島市のインターネット映像配信からは、再質問含めご覧頂けますのでご利用下さい。http://smart.discussvision.net/smart/tenant/akishima/WebView/

【篠原質問】

ただいま議長の使命を受けました。通告に従い、一般質問を行わせていただきます。

今回質問させていただきたいのは三点、香害について、窓口ワンストップサービスについて、生きる力を育む教育についてです。趣旨をお汲み取りいただき明確な答弁をお願いいたします。大綱一点目、香害について質問いたします。

香り、お香の香に害と書いて香害と呼びます。最近では新聞にシャボン玉せっけんの意見広告が載せられていました。そこで香害というものを初めて知ったという方も多いかもしれません。昨年の夏に行われた特定非営利活動法人日本消費者連盟が行った香害110番には二日間で213件の相談がありました。そこに寄せられた相談は隣の人の使用する柔軟剤で苦しんでいるというものや、コインランドリーの排気口から自宅に流れてくる大量の柔軟剤のにおいがひどい、などの相談や、頭痛、めまい、吐き気など匂いによる体調不良になる相談も寄せられました。

2008年ごろからの「香りブーム」による香り付き柔軟剤をはじめ、除菌スプレー、制汗剤、芳香剤、などの香りが強い商品が出回り、近年ではより長持ちする商品が販売されています。化学物質に対し感受性の高い人にとって香害という新たな健康被害が生まれています。香害は、自分で使用していないのに被害を受けるというもので、その点では受動喫煙と同じです。問題なのはこの香害によりそれまでの日常生活が困難になること、香りは個人の好みの問題とされ、被害を受けている人がただ単に神経質な人という偏見の目から誰にも救済されず孤立しがちあることです。私たちは日々たくさんのものを取り込んで生きていますが、実は食べ物飲み物などは一生涯に人が摂取する重量比では15%程度、室内空気や施設内空気は69%にもなります。人間が一日に摂取する空気は一日18キログラムだそうです。また、一回息をすると一分で全身を駆け巡る、ということからも私たちは一日何万回と息を吸うわけですから、その影響たるや容易に想像がつくと思います。

日々たくさんの化学物質を取り込んでいるのが私たちの日常です、よく言われるコップの中に水が溜まっていき、コップからあふれ出たときに症状を発生するということが化学物質でも起こりえます。その結果がアレルギーやアトピー、化学物質過敏症を引き起こすわけです。化学物質過敏症は何かの化学物質に大量にさらされることや、微量でも繰り返し化学物質などにさらされると発症します。この影響が最も強く表れるのがこどもたちです。一日に吸う空気の量は大人と変わりません。体の小さい子どもたちが受ける影響は大人の二倍になります。大人の方でも退職を余儀なくされ生活が苦しいという相談が寄せられています。ニュースなどでも学校の教室に行けなくなる子どもが取り上げられていました。物を言えない子どもたちを守るためにも、対策に取り組むべきと考えます。

そこで質問です。

(1)昭島市での健康被害の相談や苦情などの状況はどうなっておりますでしょうか、お答えください。

(2)各自治体で取り組みが行われているポスター啓発をすべきと考えますが、市はどのように考えますでしょうか

(3)子どもたちの実態調査を行うべきと考えますが市の考えをお答えください。

【答弁者:保健福祉部長】

ご質問の1点目「香害」について、ご答弁申し上げます。

いわゆる香害、香りの害は、人工的な香料により、頭痛や不快感などの、体調不良が誘発をされるもので、化学物質過敏症のひとつとも受けとめられております。日常生活では、消臭剤や制汗剤、柔軟仕上げ剤など、様々な香りに触れる機会が生じますが、これらの香りの感じ方には個人差があり、自分にとっては快適と感じるものも、他の人にとっては不快である場合もございます。

こうした香害に関する相談や苦情の状況でありますが、健康関連の相談窓口や小中学校では、これまで、香りに関する相談や苦情は受けておりません。なお、昨年度、消費生活センターに、香りの強い商品に対する規制の要望が1件、職場の同僚の柔軟剤入り洗剤の香りについての相談が1件ございました。

次に、ポスターを活用しての市民への周知についてであります。健康被害の視点からの周知につきましては、身体的影響をもたらす原因が特定されていないことから困難性がございます。香りのある商品の使用に関するマナーの喚起などにつきまして、(ご質問にございました)他市での取組なども参考としながら、どのような対応が可能となるのか、今後、研究をいたしてまいります。

次に、子どもたちの実態調査についてであります。香害に特化した実態調査は実施しておりませんが、各小・中学校においては、子どもたちの健康状況について把握するため、毎年度当初に、児童・生徒保健調査票による調査を保護者に依頼しております。この調査の中で化学物質過敏症や特定のにおいにより気分を害する場合などについては、アレルギーの欄や家庭から学校に伝えておきたい事項の欄に記入していただくことにより、把握ができる体制となっております。