2019年12月 林まい子 一般質問 「地域の防災力を高めよう」について

昭島市のインターネット映像配信からは、再質問含めご覧頂けますのでご利用下さい。

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ただいま議長の指名を受けましたので、通告に従い、一般質問を行います。

今回の質問は、地域の防災力を高めようです。

この秋上陸した台風は、日本各地に甚大な被害をもたらしました。

亡くなられた方々のご冥福と、いまだ厳しい被害状況に苦しむ方々の生活ができるだけ速やかに日常に戻りますよう心よりお祈り申し上げます。

特に台風19号については、昭島市でも1,137名の市民が避難をし、近年稀にみる水害でした。上陸前の備え、上陸時の一丸となってのご対応から今にいたるまで当件にご尽力いただいている方々に感謝致します。

 

2018年10月国連気候変動に関する政府間パネルが公表した地球温暖化についての特別報告書では、世界の平均気温が産業革命前より1.5度上昇した場合、1億5千万人が極度の干ばつにさらされ、洪水リスクが2倍になると予測。温暖化が現状のまま進めば早ければ2030年にも上昇幅は1.5度に達するとしています。また、先月26日、国連環境計画は世界各国の温室効果ガスの2018年排出量は二酸化炭素換算で過去最高に達したとする年次報告書を公表したばかりです。

 

本年9月の温暖化対策サミットで、気候変動が緊急事態であると大人に向かい訴えたグレタ・トゥーンベリさんのスピーチは記憶に新しく、次世代が少しでも安心して暮らせる地球環境を私たち大人はいかにして残せるのか、自分がよければ構わず他人事のようになんとなく大勢に流されるのではなくて、1人1人が当事者意識をもって立ち止まり、真剣に考えねばならない事態だと捉えています。グレタさんのような若者の訴えに背を向けず向き合うこと、それはいまの環境をつくりあげている私たち大人の当たり前の責任ですし、小さなことからでも生活を変えていくことは誰にもできます。

 

私たちは、いま、危機感を持っての気候変動対応とあわせ、従来規模とは異なる自然災害への備えも必要とされています。まさに今回の台風19号は、平時から防災を引き寄せて考える必要があること実感する災害であったと思います。

 

現在の防災体制や治水インフラは地球温暖化を想定して構築されておらず、少子高齢化や孤立化に伴い地域の防災力も低下。このような状況下でありながら、いかに地域で防災力を高めていくかが問われています。

・市民1人1人が当事者意識を持つ

・あらゆる市民が災害時の情報にアクセスできる環境を整える

・確実に避難できる場を増やす

・平時から弱者にやさしいまちづくりをし、その視点を盛り込んだ避難や避難所運営をする など

防災体制を今一度検討する必要があるのではないでしょうか。

 

今回質問項目は、昭島・生活者ネットワークの複数の議員がかねてから継続してお伺いしているものがありますが、いずれも非常に重要と考えます。また、昭島・生活者ネットワークでは、多摩川近隣在住含め、37名の市民の方々から台風19号につきご意見を頂きました。そのお声も踏まえ質問いたします。

趣旨をお汲み取り頂き、明確なご答弁をお願い致します。

 

 

【答弁者:市長】

「備えあれば憂いなし」市民一人ひとりが日ごろからの防災意識を持つことが大変重要と考えております。

近年は台風災害やゲリラ豪雨など風水害による甚大な被害が発生しており、被害を最小限に抑える減災に市民、そして行政を挙げて取り組む必要があります。この取り組みを達成するためには、個人の努力、地域の努力、そして市を含めた防災関係機関の活動が効果的に作用しなければなりません。

特に、発災時には地域の皆様が相互に協力し合い、初期活動していただくことで被害を最小限にとどめることができると考えております。この地域の中核的役割を担うのが自主防災組織であります。

共助の組織であります自主防災組織の役割分担として、平時からの防災知識の普及啓発、地域の危険個所の把握、防災訓練の実施などのほか、発災時には初期消火や被災者の救助、地域住民の避難誘導など初動期におけます応急対応が主なものとなっております。また発災後は、学校避難所の立ち上げにも中心的な役割を担っていただいております。

市といたしましては、これらの役割を担っていただくにあたり、地域の防災リーダー育成研修会の開催や避難行動などが組織的に図れるよう自主防災組織震災時活動マニュアルの策定支援などを行い自主防災組織の向上に向けた支援を実施しております。

また、今後は風水害における大型台風などにおいては、早めの自主避難が重要でありますが、自主避難行動に様々な戸惑いを感じている方が多くいることから、自主防災組織と行政及び関係機関と連携し避難活動にどのような対応ができるか検討を早期に進めてまいりたいと考えております。

いずれにいたしましても、災害時には、自助・共助・公助の役割を充分に理解し、市民、地域、行政及び関係機関が連携することが重要と考え、今後も地域防災力の向上に努めてまいります。

 

 

 

  • 細目1 平時からの備えについて

昭島への台風19号上陸前日、市内各所の小売店は大混雑で、水や保存食が一部品切れになっていました。今回は台風のため事前予測をたて備えられたともいえますが、突如くる可能性ある地震などほかの災害の場合どうでしょうか。

 

また、今回避難者が多かった多摩川近隣エリアへゆき、ハザードマップを持っているか等聞き取りをしたところ、存在自体認識していない方のほうが多かったのが現状でした。

今後の災害に備え、平時より1人1人が当事者意識や危機感を持ち防災について考え備えられるよう行政からの働きかけをすることが必須と考えます。

 

そこで、質問です。

 

①一点目、自治会等実施の避難訓練は非自治会員も参加できるとの認識ですが、地域に訓練情報が届いているかは地域ごと差があるようです。

訓練のアナウンスがおもには自治会員にしか届いていないと想定した場合、自治会員数は現在何人でしょうか。

また、総合防災訓練には非自治会員はどれほど足を運んでいるか把握していますか。している場合、人数をお答えください。

 

【答弁者:危機管理担当部長】

自治会員数でありますが、今年10月現在で、97自治会、18,765世帯となっております。

また、総合防災訓練における非自治会員数につきましては、一般参加者として集計し、自治会・自主防災組織関係者229名に対しまして、103名となっております。

 

 

②二点目、現在、避難所運営委員会に女性は何割いますか。

また、市として女性防災リーダー育成にどのように取り組んでいますか。

 

【答弁者:危機管理担当部長】

平成30年度の集計では、約22%となっております。また、女性防災リーダー育成に関しては、避難所運営において女性目線のケアが重視されていることから、防災リーダーにこだわらず広く参画を促してまいります。

 

④三点目、地域防災計画によると、市内給食施設は炊き出し拠点となり、現在は、共同調理場の炊飯釜数が14、自校の釜数が54です。調理場破損リスクや運搬の観点から、各地に給食施設があることは、防災上望ましいと考えますか。

 

【答弁者:危機管理担当部長】

市全域に分布していることは、施設への被害が分散し、稼働可能率が高くなることから望ましいと考えます。また、避難が長期化した場合、大変重要な視点であると考えております。どのような給食を提供できるか、真摯に受けとめ、対応を考えてまいります。

 

 

⑤四点目、備蓄につき質問です。水の確保は生きる上で最重要事項であると考えます。

地域防災計画上では「飲料水については、貯水総量としては、充分な量を有しているが、供給水量の増加が想定され、生活用水等を含めた供給体制を整備する必要がある」とありますが、どのような整備が検討されていますか。

 

【答弁者:危機管理担当部長】

生活用水等を含めた供給体制の整備についてでありますが、大きく5点ございます。1点目は、配水場や災害対策用飲料貯水槽等の配水拠点の整備、2点目は、飲料水供給に係る協定の締結、3点目は、水道部による応急給水計画の策定、4点目は、プールや災害時協力井戸等生活用水の確保、5点目は、市民、事業所等による水の確保の促進となります。

 

 

⑥五点目、ハザードマップ配布後認知・活用してもらえるよう定期的にフォローしていますか。

市内在住外国人が平時からハザードマップを認識できるよう、英語版などの作成は検討されますか。

 

【答弁者:危機管理担当部長】

現在のハザードマップは、平成28年度に作成し、全戸配付いたしました。配布後は、自治会、自主防災組織、学校等の依頼による防災講話等の機会をとらえ、活用方法の普及啓発を随時行っております。

また、ハザードマップの英語版作成につきましては、市内の外国人居住状況を考慮し、他市の状況等を踏まえながら、調査・研究してまいります。

 

また、東京都よりタイムラインに関連する各種媒体は用意されていますが、市民に対してその旨アナウンスされていますか。また、市として、市民に活用するよう働きかけはしてゆきますか。

 

【答弁者:危機管理担当部長】

東京都は本年4月に、災害時にどのタイミングでどの行動を起こすかを、あらかじめ定めておき、実災害時に速やかに避難行動に移れるよう、事前計画の作成を推奨するため「マイ・タイムライン」を作成しました。

東京都はこれらを都下全域の小中学校及び高等学校を始め、各市区町村にも配布いたしました。本市では、自治会連合会を通じて希望する自治会や、市役所窓口による一般の方への配布を行っております。その作成支援については、既に東京都と東京消防庁が連携し推進していることから、市においても昭島消防署と連携を図ってまいります。

 

 

⑦六点目、避難行動要支援者数は現在何名ですか。昨年9月定例会のご答弁では、自治会など想定される担い手の高齢化の問題などもあり各所に協力要請中とのことでした。その後バックアップ体制は整っていますか。

 

【答弁者:危機管理担当部長】

避難行動要支援者名簿への登録は、平成31年3月末日現在で、3,676人となっております。また、平常時から名簿情報を避難支援等関係者へ提供することに同意等をされた方は、3,116人となっております。

災害発災時に避難支援や安否確認などを行うため、平常時から名簿を提供している避難支援等関係者は、市内の消防署、消防団、警察署、社会福祉協議会、民生委員・児童委員協議会となっております。

また、現在、各単一自治会に対し、個別に説明会を実施し、避難支援等関係者への参加について協力を求めているところであります。

避難行動要支援者制度に限らず、共助の観点からの防災対策には、地域の皆様の協力が必要不可欠です。引き続き、きめ細かな説明と情報の提供を図り、共助の取組に対する市民の理解と協力を得る中で、地域の防災対応力の向上に努めてまいります。

 

 

 

  • 細目2 災害時の情報発信について

今回の台風に関連して寄せられたご意見で特に多かったのが「情報へのアクセス難」で、「状況が分からないのが何より恐怖」とのお声を頂きました。今回多摩川近隣エリアでアンケートをとる過程で、台風上陸時川の様子を確認にいった市民が多かったとのこと。また駐車場が足りず、他所に避難先を変更せざるを得なかった避難者もいたとのことですが、いずれも危険が伴います。小河内ダムの放水を避難基準にしようと思っていたとの市民の方もいらっしゃいましたが、そもそも前日からの放水の情報にキャッチできていなかったようでした。公からの情報発信をしっかり受け取れることは、命を守る行動判断をするに当たり非常に重要です。 現代社会では、平時より行政のホームページを情報収集源とする市民が多いことが想定されます。「ここをみれば、すべての情報が網羅してある」ホームページがあることはまず欠かせません。

ただ、それで終わりではなく、災害時には従来からあるツールを活用しながら、新しいツールとうまく組み合わせ、情報の伝達ルートを多様化させることが、あらゆる市民に情報を届けるリスクヘッジの意味で重要であり、あわせて平時からその伝達ルートを市民に認識してもらうことが必要です。

 

昨年9月定例会では市長より「自然災害を100%防ぐことは不可能であるが、災害に際して市民の皆様の安全を確保するためには、正確かつ迅速な情報伝達や情報提供が被害を最小限に抑えることとなり、最も重要である」とのご答弁もありました。そこで質問です。

 

①一点目、昭島携帯メール情報サービスの登録者は何人ですか。

 

【答弁者:危機管理担当部長】

11月25日現在で、9,485名となっております。

 

 

②二点目、災害時に市から防災行政無線以外、どのような発信ルートがあるのか、市民には非常に分かりづらかったようです。それぞれのルートごとの情報が届く速さや網羅する内容など含め、平時から市民に周知していますか。

 

【答弁者:危機管理担当部長】

災害時の情報発信につきましては、防災行政無線の他、先の携帯メール情報サービス、ホームページ、ツイッター、防災行政無線の内容を参照できる無料電話応答サービスがあります。これらにつきましては、市民便利帳への掲載や防災講話等で普及啓発を行っております。

また、避難情報が発令されたときは、巡回広報車による広報や個別訪問も行っております。

さらに、ヤフー株式会社との協定締結により、利用者へのプッシュ型メールの配信、市域の避難情報や気象情報等が参照できるヤフーが提供する防災マップへの誘導が行われます。

 

 

③三点目、今後、市からの災害時の発信については、利用ツール・発信頻度・内容は変更が検討されますか。

 

【答弁者:危機管理担当部長】

水害や土砂災害が発生するおそれがある場合、本市では、気象情報のほか、警戒レベルに応じた避難に関する情報、避難所開設状況などを随時発信しております。

その手法として、先に申し上げた複数の方法を用いております。

今後におきましても、これらのツールを最大限に活用するとともに、より効果的な手法等を模索しつつ、的確な情報発信に努めてまいります。

 

 

④四点目、市内在住のあらゆる市民、具体的には、高齢者、外国人、障がい者などに情報を届けることを、今後どのように考えますか。あわせて、外国人、障がい者手帳交付を受けている人口を教えてください。

 

【答弁者:危機管理担当部長】

情報の収集や伝達力などにハンディキャップを負っているため、災害や避難に関する様々な情報を的確に受け止め、安全を確保する行動を取ることが困難となる、いわゆる情報弱者に対しては、それぞれの個別の状況に応じた支援が必要となることは、理解をいたしております。

また、現時点において、具体的な対応が十分確保できていない状況も認識をいたしているところです。

災害時における情報の伝達は、市民の安全の確保に欠くことができない大切な取組であります。引き続き、関係団体等と連携を図りながら、取組の充実に努めてまいります。

また、ご質問の具体的な人数につきましては、本年4月において、外国人が2,697人、障害者手帳所持者が3障害合わせ6,364人となっております。

 

 

⑤五点目、避難所でのスマホ充電機設置や障がい者向けの情報源設置等、情報へのアクセス環境整備は検討されますか。

 

【答弁者:危機管理担当部長】

災害発生時、避難所における情報の収集が必要となることは、理解をいたしております。また、現時点において、スマートフォンの充電設備や、障害者向けの情報源等、具体的な対応が十分確保できておりませんが、各避難所の電源確保の為、非常用発電機の配備等を検討しているところであります。

 

 

 

 

  • 細目3 避難所について質問いたします。

①一点目、台風19号では、駐車場を確保できないため避難先変更を求められた市民がいるとのこと。民間団体等との更なる協定で駐車場はじめ避難所の確保はできないのでしょうか。

 

【答弁者:危機管理担当部長】

まず、駐車場確保の為の民間団体等の協定についてであります。

ご質問にありましたように、台風第19号の対応において、近隣の避難所に避難したところ、避難者の収容については余裕がありましたが、車両により避難してきたため、駐車場が足りず、止むを得ず、駐車できる遠方の避難所に避難した事例が散見されました。これは、今回得られた大きな課題の一つであると認識しております。民間団体の駐車場の活用も含め、車両による避難のあり方について、調査・研究してまいります。

 

 

②二点目、昨年9月定例会のご答弁では、「今の二次避難所4か所で障がいがある方すべて受け入れられないのは確実」とのこと。協定等で受け入れ先は増えているようですが、利用が必要と見込まれる人数、および現時点での避難所収容可能人数を教えてください。また、家族同伴避難も想定した上で、現状で足りるとの試算でしょうか。

 

【答弁者:危機管理担当部長】

被災状況にもよりますが、地域防災計画で指定している4か所の二次避難所のみで対応するわけではありません。二次避難所の利用が必要な避難者の数に応じ、学校の教室や他の公共施設、災害時の応援協定を締結した福祉施設などを活用して、二次避難所を設置する考えです。また、避難者の状況によっては、病院や入所施設の活用などが必要な場合もあります。

課題となるのは、避難者の日常的な介護を担う職員の確保ですが、東京都のコーディネートにより、全国的な応援体制の活用が想定をされております。しかしながら、避難者の状況を一番把握している家族の支援は、避難者本人にとっても、また、二次避難所の運営に関しても大変貴重なものであります。避難所の体育館から二次避難所の教室に通うような体制を含め、同伴をお願いするような場合もあるものと理解をいたしております。

いずれにいたしましても、実際に利用する避難者とその家族の思いを受け止める中で、負担の軽減も視野に入れ、二次避難所の円滑な運営に努めてまいります。

 

 

③三点目、特定の市民は、度重なる避難のストレスや、被災時の移動難を考え、最寄の二次避難所へ直接いけるよう決められないのでしょうか。

 

【答弁者:危機管理担当部長】

発災時においては、安全を確保するため一次避難所に避難をすることが基本となります。その後、被災の状況や避難者の個別の事情などを踏まえ、二次避難所の開設と対象となる避難者の移動を行うこととなります。二次避難所の開設後に、自宅から移動する場合なども想定されますが、発災後、直ちに二次避難所が開設されることはないことについてご理解をお願いいたします。

 

 

④四点目、障がい者児や人口呼吸器使用者など電源確保が命に係わる市民がいます。自家発電がない施設への市の電源確保の対応はどのようでしょうか。

 

【答弁者:危機管理担当部長】

台風第19号の対応では、台風接近前に、市立会館等を自主避難所として開設いたしました。これらの避難所の中には、ご指摘のとおり、自家発電設備がない施設もあり、停電時の電源確保が危惧されました。その対応として、市で備蓄している「非常用発電機」を集結し、配備を行いました。今後は、避難所として開設する施設で自家発電設備がないものについて、平常時から配備することを検討いたします。

 

 

 

  • 細目4 避難所での運営基準について

1998年に人道憲章と人道対応に関する最低基準としてまとめられた、通称スフィア基準があります。内閣府「避難所運営ガイドライン」では、「東日本大震災では、避難所における「生活の質」には課題が多く、水、食料、トイレ等は不十分で、 暖房は限定的であり、狭い空間での生活によって、多くの被災者が体調を崩す恐れと隣り合わせの生活であった。」と述べられていますが、スフィア基準は「今後の我が国の「避難所の質の向上」を考えるとき、参考にすべき国際基準」と認識されています。

 

そこで、質問です。昨年9月定例会ご答弁では、例えばトイレ設置について、現在東京都指針に従っているとのこと。しかし、スフィア基準では20名に1基、内閣府は50名に1基、昭島市は75名に1基、とかなり乖離しています。なぜ国際的な最低基準とされるスフィア基準レベルへの引き上げを検討しないのか教えてください。

 

【答弁者:危機管理担当部長】

まず、避難所におけるトイレの基準についてであります。

昭島市地域防災計画では、トイレの備蓄の目安として、避難者75名あたり1基とし、予想避難者3万人に対し約400基、備蓄しております。この値は、ご指摘のとおり、東京都地域防災計画、及び東京都福祉保健局が策定した「避難所管理運営の指針」に示されております。

地域防災計画は、内閣府が示す「防災基本計画」が骨子となり、災害対策基本法に基づいて、都道府県が定め、これと連携する形で市町村が策定します。従いまして、地域防災計画に定める基準値等も連携しております。

また、「75人」という値につきましては、内閣府が示す「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」におきまして、阪神・淡路大震災時に苦情がほとんど来なかった数値として示されております。

いずれにいたしましても、今後、災害時の仮設トイレの使用において、不具合が発生した場合、その備蓄基準を柔軟に検討してまいります。

 

 

  • 細目5 多様性に配慮した避難所運営について

被災時、多様性に配慮しての避難所運営が求められると思いますが、今回は、授乳支援に絞って質問をさせて頂きます。

 

①一点目、現在市が災害時の授乳支援として考えていることは何でしょうか。また、その方針は、各避難所運営関係者にしっかり共有されているのでしょうか。

 

【答弁者:危機管理担当部長】

学校避難所におきましては、学校避難所運営マニュアルに、授乳室や女性更衣室等女性が使用する区画を事前に計画するよう定めております。このマニュアルは、全校共通のものであり、内容について共有が図られていると認識しております。

 

 

②二点目、特に授乳支援が必要と想定される市内在住0~6か月児の人数を教えてください。

各避難所にその人数と家族がいられる別スペースは、確実に確保されると考えてよいのでしょうか。

また、台風19号がレベル3に移行したのち、母子に別スペースが確保される動きはあったのでしょうか。

 

【答弁者:危機管理担当部長】

市内在住の0歳から6カ月児の人数でありますが、11月25日現在で376名でございます。

 

次に乳幼児とその家族が一緒にいられるスペースの確保についてであります。

学校避難所の居室となる体育館におきましては、備蓄してありますパーテションを使用することで対応しております。また、その他、必要に応じて、校舎の教室を使用する等現場での対応が可能となっております。

この度の台風第19号の対応におきましては、避難時間が比較的短時間であったため、そのような対応、若しくはこれに係るトラブル等の報告はありませんでした。また、これらを含む台風第19号の対応に係る意見等を現在集約しており、そこから得られた課題等に対する検討を早急に行うこととしております。

 

 

③三点目、母乳育児を避難所でも続けられる環境確保につき質問です。

粉ミルク配布は乳児がいる保護者へ一律配布ではなく、希望者のみに配布の形か確認させて下さい。

 

【答弁者:危機管理担当部長】

粉ミルクや哺乳瓶、紙おむつ等乳幼児のための備蓄物資は、市内の備蓄倉庫に備蓄してあります。必要に応じて配布する形となっております。

 

 

④四点目、粉ミルクを安全にあげられる環境確保につき質問です。

避難所でお湯等問題なく常時使える体制でしょうか。また、備蓄品のアレルギー対応は考えられていますか。

 

【答弁者:危機管理担当部長】

学校避難所では、校舎やライフライン等に被害がなければ、家庭科室、調理室等の利用で対応することができます。また、被害があった場合は、簡易備蓄倉庫にやかん、カセットコンロ、かまどが配備されておりますので、これらで対応することとなります。

 

備蓄している粉ミルクのアレルギー対応についてであります。

現在の備蓄品はアレルギー対応のものではありません。アレルギーを持つ乳児に誤って与えてしまった場合、命を落とす危険性もあることから、その必要性は十分に認識しております。しかしながら、単価が上がるため、必要数の購入が見込めないことも予想されます。いずれにしましても、その導入に関しまして、他市の状況を踏まえながら調査・研究してまいります。

 

 

⑤五点目、今後、液体ミルクを備蓄品にいれると想定しての質問です。

保管温度で変質しやすいですが、備蓄先はどこを想定しますか。液体ミルク利用時の関連備品については個人が準備するのでしょうか。

また、飲み残しは捨てる、コップは清潔なものを利用する等、液体ミルク利用時の注意点のアナウンスを現場で確実にできるように、避難所運営関係者で必要な知識を共有することは考えていますか。

 

【答弁者:危機管理担当部長】

液体ミルクにつきましては、近年、国内各社から製品化され、お湯無しでそのまま飲ませることができるという大きなメリットがあることから、防災の観点からも注目を集めているところであります。市といたしましても、災害発生の初期に活用できるものとして認識しております。常温保存が可能で、その保管場所としては、市内の備蓄倉庫が想定されますが、ご指摘のとおり、近年の夏の猛暑日のように、おおよそ常温とは言い難い環境にさらされる可能性は否定できません。また、使用に関しては、ご質問にありますとおり、飲み残しは捨てる等、注意しなければならないことも多くあります。また、哺乳瓶に移し替える場合、清潔なものを使用しなければならないことから、備蓄しているものを使用する場合、その消毒方法も考慮しなければなりません。いずれにいたしましても、液体ミルクの導入に関しまして、その保管環境や使用環境を含めて検討を進めてまいります。

 

 

⑥最後に、例えば、立川市では「こんにちは赤ちゃん」という冊子で乳児を抱えている家族に向けた災害時のガイダンスを掲載していますが、そのなかには災害時の授乳支援に関する適切な情報も含まれています。

子育て世帯向けに特化した防災ガイダンスは、平時から流していますか。

 

【答弁者:危機管理担当部長】

子育て世代のお母さんが、お子さんを連れての避難には、移動手段や持参品、備蓄品などの事前準備に関する情報が必要であり、このようなガイダンスは欠くことができない大切な取組であることは十分に認識しております。また、現時点において、具体的な対応が十分確保できていない状況も認識をいたしているところであります。関係課等と連携を図りながら、調査・研究に努めてまいります。