2024年9月一般質問:大綱②地域コミュニティ創出について

9月議会の一般質問が終わりました。
1時間の質問持ち時間のなかで、一問一答方式を選び、毎回質問に臨んでいます。
一問一答の再質問前、1回目の質問と市の答弁を以下に書き出します。

※再質問部分については、任期中は市の公式HPの動画からご覧頂けます。以下リンクの29分ごろから一問一答が始まります。
https://smart.discussvision.net/smart/tenant/akishima/WebView/rd/speech.html?council_id=50&schedule_id=4&playlist_id=1&speaker_id=29&target_year=2024

【林質問】

大綱2 地域コミュニティ創出について

細目1 地域コミュニティ活動連携推進計画策定等について

少子高齢化と人口減少、核家族化により生じている社会課題のひとつは、孤独・孤立です。令和6年版厚生労働白書では、孤独・孤立の状態は、こころの健康に深刻な影響を及ぼしうること、さらに、高齢期・老年期にかけての孤独は、心身の機能低下などと相まって、様々な健康問題につながる恐れにまで言及していますが、先月28日、警視庁は、本年1月から6月に全国で自宅でなくなった一人暮らしの人の暫定値のうち、65歳以上の孤独死は2万8330人で全体の8割近くを占めると発表しました。内閣府の令和6年版高齢社会白書によると65歳以上の高齢者の5割弱が孤立死を身近に感じており、孤立して人生を終える状態はもはや他人事ではありません。本年4月から施行された「孤独・孤立対策推進法」では、孤独 ・孤立は人生のあらゆる段階において何人にも生じ得るものであり、社会のあらゆる分野において対策の推進を図る重要性を謳っており、人と人との「つながり」を、それぞれの選択のもとで、緩やかに築けるような社会環境づくりの必要性は国も示しています。

今後は生産年齢人口減少からの行財政への影響で、公助だけではたちゆかず、共助は孤独・孤立対策以外の諸課題への対応の点からも、ますます重要です。一方、命にも関わる災害対策はじめ地域文化の維持等々、非常に重要な行政補完機能を担う自治会や、子ども会などの地縁団体は担い手不足の課題が深刻であり、直近の自治会の加入率は、30.8%です。

また、コミュニティの核となる学校ではコミュニティ・スクールが始まる一方で、継続の課題を抱えるPTAや地区委員会もあると聞き及びますが、いずれも、子どもの豊かな体験活動を支えながら保護者同士、あるいは世代を超えて近隣住民同士繋がりを持てる重要な組織です。

時間的精神的余裕を持ちづらい現役世代が増加する社会状況下では、楽しさややりがいを感じられるアプローチが必要ですが、この点、玉川小学校PTAと東部地域包括支援センターによる東中神多世代プロジェクトに注目しています。先日玉川小PTA役員とはなした際には、他所での好事例にはなしが及ぶと「PTAでもできないか」という反応がかえってきました。地域包括支援センターから「やりたいこと」を都度聞かれながら、自らやりたい企画を実現する成功体験を重ねた結果、「自分たちはできる」とエンパワメントされ、PTAという仕組みを最大限活かしながら自治を実践しており、繋がりが力になること、効力感が何よりの原動力となることを実感しました。

市の総合基本計画では「自主防災組織や子ども食堂、サロン活動など、これまで自治会が担ってきた役割の一部に特化する形で活動する新たな地域コミュニティが自然発生的に生まれている」としており、既存のコミュニティ、新たなコミュニティに主体的に関わる市民が増え、コミュニティや行政など多様なステークホルダーが重層的に繋がることがこれからの共助には必要です。市では地域で活動する団体の有機的な連携の促進を目指し、地域コミュニティ活動連携推進計画策定に着手しましたが、世代・性別・障がいの有無を超えて、多くの人と繋がりながらそれぞれが役割をもって共助を実現することは、関わる人の人生を豊かで幸せなものにすると確信して、質問いたします。

一点目、計画策定にあたっては多部署連携が欠かせません。現況をお答えください。

二点目、地方自治法の一部を改正する法律で創設された地域協働活動団体制度においては、恣意的な特定団体の指定や、市民と行政の対等な関係性への影響など懸念もあるようですが、見解をお答えください。

【市長答弁】

市民の誰もが健康で豊かな生活を営み続けていくためには、地域で暮らす全ての人が互いに助け合い、支え合い、安心して暮らすことのできる地域共生社会の構築が大変必要であります。

長きにわたり自治会等を中心とした地域コミュニティが構築され、「人と人」「人と地域」のつながりを基盤とする地域の力が、本市のまちづくりに大きな役割を果たしてきたものと感謝いたすところでもあります。

しかし、個々の生活スタイルや価値観が多様化し、また、少子高齢化に伴い自治会の加入率の減少、今30%をきったというような状況。地域コミュニティの担い手不足など、地域コミュニティの希薄化は喫緊の課題であると認識しております。

昨今、甚大な被害をもたらす自然災害が頻発し、高齢者や障害のある方が高い割合で被害に遭われている状況の中で、日ごろからの地域の顔なじみの関係により生命が救われた事例も多く見られております。自然災害など有事に備えたうえで、地域コミュニティが果たす役割の重要性と活性化の必要性を改めて強く感じているところでもあります。

こうした中で、自主防災組織や子ども食堂、サロン活動など、これまで自治会が担ってきた役割の一部に特化する形で活動する団体も生まれつつあります。

地域における安全・安心の確保及び向上に向けて、地域において活動する多様な団体が、共助の考えの下、それぞれの得意分野を活かし、柔軟かつ有機的に連携し、災害時の対応や地域課題の解決に向けてつながり合い、地域力を高めていくことが大変重要であると考えているところであります。

今年度は、総合基本計画に掲げる基本施策の一つである「コミュニティの活動推進」を図るため、地域コミュニティ活動連携推進計画の策定に取り組んでいるところであります。現在、地域コミュニティ活動連携推進計画策定委員会において、学識経験者や地域活動の実践者の皆様に盛んな御議論をいただいているところでございます。市内の多様な団体による有機的な連携を促進し、誰もが安全で安心して暮らせる地域、そして、防災・減災に視点を置き、地域で支え合い、尊重しあう地域コミュニティづくりの支援に努めてまいりたいというふうに思っているところであります。

【市民部答弁】

ご質問の2点目、「地域コミュニティ創出について」のうち、「地域コミュニティ活動連携推進計画策定等について」、ご答弁申し上げます。

自治会の加入率が減少の一途をたどり、また、少子高齢化など社会環境の変化に伴う地域コミュニティの希薄化が深刻な課題であります。自治会加入率の減少が、共助の仕組みや地域力にも大きく影響するものと受け止めており、また、自然災害が多発している昨今にあっては、有事に備えた減災・防災対策を進める上で、地域における助け合いが大変重要であると捉えております。このことを踏まえ、総合基本計画の大きな課題の一つである「コミュニティ活動の推進」について、減災・防災の視点も視野に、地域で活動する団体が、必要に応じて有機的な連携を図ることのできる地域コミュニティづくりをめざす「地域コミュニティ活動連携推進計画」の策定に取り組んでいるところであります。計画策定にあたり、市民部と危機管理担当が中核となり、企画部、保健福祉部、子ども家庭部、学校教育部、生涯学習部など、各部署との庁内連携のもと取り組んでおります。

次に、「指定地域共同活動団体制度について」であります。

「地方自治法の一部を改正する法律」が令和6年6月26日に公布され、地域の多様な主体の更なる連携及び協働の推進を図るため、地域的な共同活動を行う団体のうち一定の要件を備えるものを指定地域共同活動団体として指定することができる制度が創設され、本年9月26日から施行されることとなりました。

この制度の創設に伴い、現在、国においては、「地方自治法施行規則の一部を改正する省令(案)」について意見募集を行っているところでございます。

国の動向につきましては、総務省のホームページや報道等により情報を得ているところであり、引き続き、情報収集に努めると共にその動向を注視してまいります。