2024年12月一般質問:大綱①頼れる身寄りがいなくとも安心して暮らせる昭島へ

12月議会の一般質問が終わりました。
1時間の質問持ち時間のなかで、一問一答方式を選び、毎回質問に臨んでいます。
一問一答の再質問前、1回目の質問と市の答弁を以下に書き出します。

※再質問部分については、任期中は市の公式HPの動画からご覧頂けます。以下リンクの23分30秒ごろから一問一答が始まります。
https://smart.discussvision.net/smart/tenant/akishima/WebView/rd/speech.html?council_id=51&schedule_id=4&playlist_id=2&speaker_id=29&target_year=2024

【林質問】
ただいま議長の御指名を受けましたので、通告に従い、大綱3問の一般質問を始めさせていただきます。
大綱1、頼れる身寄りがいなくとも安心して暮らせる昭島へ。
細目1、身寄り問題について。
自分一人では手に負えない生活上の困難を抱えたとき、これまでは家族や親族などの身寄りによる無償のサポートが期待されていました。しかし、社会構造は劇的に変化しており、令和5年版厚生労働白書では、少子高齢化と人口減少の本格化を背景に、高齢者層を中心とした単独世帯数の増加が見込まれ、若年層においても、結婚、家族など世帯構成についての考え方が変化するなど、世帯の縮小の流れがあり、家族が担うことができる支え合い機能の弱体化は避けられないとしています。
頼れる身寄りがいない身寄り問題は、物理的に身寄りがいないというケースだけではなく、身寄りがいても、疎遠で頼れる関係性にない、遠方にいる、さらには家族である親を頼ることのできない子ども・若者も増加するなど、年齢問わず、様々なケースがありますが、高齢期に生活上のサポートが必要になる日は誰にでも訪れること、また、国立社会保障・人口問題研究所が、今後、身寄りのない高齢者の急増を推計していることから、今回は高齢者の身寄り問題を念頭にお伺いします。
この問題は、日常生活支援、住宅確保、病院入院、介護施設入所などの身元保証、死後事務など、生きることに直結しており、当事者は大きな不安を抱えながら、当事者、あるいは問題が顕在化した際に当事者がアクセスできた関係者が、都度、苦慮しながら対応に当たる状況と言えます。法整備と制度が追いついていないため、民間による有償の高齢者等終身サポート事業が乱立し、それに伴う全国の消費生活センターなどへ寄せられる相談件数も増加しており、国では、事業者の適切な事業運営と利用者の安心を確保することを目指して、本年6月にガイドラインを策定した状況です。
先駆的に公的支援に取り組み始める自治体もある中で、国も市町村や社会福祉協議会などにコーディネーターを配置し、包括的な相談・調整窓口を整備する事業と、市町村の委託、補助を受けた社会福祉協議会などが、介護保険などの手続代行から金銭管理、緊急連絡先としての受託、死後対応などをパッケージで提供する事業の2事業の試行を始めましたが、急ぎ対策が求められます。
先日、昭島市社会福祉協議会主催の身寄り問題を考える会に参加しましたが、シニア世代の参加者であふれており、一目でニーズの高さが分かりました。近くに座られた方々は、市の支援を知りたい、独りで周りに頼れる方もいない、先日、ある事業者と契約したが、大丈夫だろうかなど、直面する不安について口々に話されており、待ったなしの状況であることも分かりました。
また、いざ行政へ相談に行くと他所を紹介され、その先でもまた他所を紹介されといった経験談を述べる参加者もおり、市民に最も身近な基礎自治体における相談先整備の必要性を痛感しましたが、まずは市の身寄り問題の現状と課題をお答えください。
【市長答弁】
林まい子議員の一般質問にお答えいたします。
私からは、1点目の頼れる身寄りがいなくとも安心して暮らせる昭島への基本的な考え方について御答弁申し上げ、他の御質問につきましては担当部長より御答弁申し上げますので、よろしくお願いいたします。
まさに人口減少、超高齢社会の到来がもたらす喫緊の課題の一つが、身寄りの問題だと認識しております。超高齢社会が進展し、団塊の世代が75歳以上となる2025年がいよいよ来年に迫る中で、単身の高齢者数も増加を続けており、身寄りのない方への支援が全国的に課題となっているものと受け止めております。
今後、誰もが高齢期に身寄りのない状況となる可能性のある中で、高齢者一人一人の抱える様々な問題に対応していくためには、地域を構成する様々な主体が有機的に連携し、これまで家族や親族等が行ってきた役割を地域が担っていくことが必要であるというふうに思っているところであります。
本市におきましても、高齢者が住み慣れた地域でそれぞれ尊厳を持って暮らせるよう、各種施策を総合的に展開していくための高齢者保健福祉計画を策定いたし、高齢者を取り巻く様々な課題解決に向けた取組を推進しておるところであります。ただ、各種施策を総合的に展開していくための高齢者保健福祉計画を策定したところであっても、それを実行しなければ、ただ単に絵に描いた餅でありますから、絵に描いた餅にならないように、しっかりオール昭島で頑張っていきたい、そういうふうに思っています。
引き続き、様々な機会を捉え、高齢者が抱える課題等の把握に努めるとともに、誰もが住み慣れた地域でいつまでも安心して暮らし続けることができる地域共生社会の実現に向け、各種施策を着実に推進していきたいと、そういうふうに思いますので、今後とも御助言、御提言、よろしくお願いいたしたいと思います。
私からは以上です。
【保健福祉部長答弁】
御質問の1点目、頼れる身寄りがいなくとも安心して暮らせる昭島へについての身寄り問題について御答弁申し上げます。
市での身寄り問題の現状と課題についてであります。
身寄り問題は、それぞれの状況や事情により様々でありますが、一般的に身寄り問題は、単身高齢者などが人生の最終段階で頼れる人がいないことから生じる様々な困難や弊害であり、日常生活の支援や入院時の身元保証、葬儀や納骨などの死後事務など、家族に代わり、誰がどのように支援するのかが課題になっているものと受け止めております。
また、昨今では、身寄りがない高齢者などに対する身元保証ビジネスが増えてきており、料金はかかるものの、生活支援や身元保証、死後対応を総じて受けることもできるようになってきました。一方で、こうしたサービスの信頼性や担保の問題も課題となっているものと認識しております。
市におきましては、身寄り問題に係る困り事の内容に応じて、市窓口、社会福祉協議会、地域包括支援センターなどが連携して解決に向けた取組を実施しているところであります。今後、さらに少子高齢化が進み、身寄りのない高齢者が増加する見通しの中で、日常生活支援、身元保証、死後対応など、これまで家族が担ってきた部分をいかに補うかが課題と捉えており、必要な支援の在り方について、関係機関とも連携し、検討を進めてまいります。