2025年12月一般質問:大綱①GLP昭島プロジェクトについて

12月議会の一般質問が終わりました。

1時間の質問持ち時間のなかで、一問一答方式を選び、毎回質問に臨んでいます。
一問一答の再質問前、1回目の質問と市の答弁を以下に書き出します。

※再質問部分については、任期中は市の公式HPの動画からご覧頂けます。

【林質問】

ただいま議長の御指名を受けましたので、通告に従い大綱2問の一般質問を始めさせていただきます。

大綱1 GLP昭島プロジェクトについて
細目1 諸課題について
 住宅の隣接地でのデータセンター建設による環境変化への懸念から、首都圏各地で住民による反対運動が起きています。昭島市と同様、日本GLP株式会社略してGLPによる建設計画がある千葉県白井市桜台地区では、国土交通省、経済産業省、環境省、総務省に対し住民が諸課題を伝え、生活者に寄り添った対応を要望したとの報道がありました。また、千葉県柏市布施南地区は、室外機の騒音、非常用発電機の騒音や排気ガス、地下に大量に備蓄される重油等、住民が大変危惧しているとの報道が2022年にあり、その後の状況を見聞いたしたく、先月両市に行ってまいりました。

環境を守るために住民が熱心に情報収集し、関係各所に様々なアプローチをなさっておられご尽力をよく理解できたと同時に、国や地方自治体は市民に真摯に向き合い、時代の変化に応じた制度改正や新設を視野にいれながら、市民が安心して暮らし続けられる方策をともに考える責務があると肝に銘じた訪問となりました。また度々申し上げているように、国をあげて環境・社会・企業統治を考慮するESG金融を拡大し、気候変動対策、循環経済、ネイチャーポジティブ等持続可能な社会の構築を図るなかで、事業者におかれては企業倫理に基づき社会的責任を果たしていただく必要があることも再確認しました。

さて、肝心の両市の計画地は、住宅地が非常に近接しており、驚くべき立地でした。白井市では、日影、工事車両や劣化する重油の定期交換のため走行が予想されるタンクローリー、重油埋設、排熱、スマホ不通はじめ、住民が様々な懸念をもちGLPと協議を重ねたものの暖簾に腕押し状態であったそうです。そのため、政府に対し、建築基準法上データセンターが倉庫ではなく事務所扱いされるのは実態にあわないこと、日影1日2時間確保の基準が生活者に寄り添っていないこと、住宅地の真ん中や市街化調整区域に高層建築物が建設される事態を都市計画法が招いていることなど課題を伝え、その他にもデータセンター事業経営主体の殆どが特定目的会社方式で緊急時対応に懸念があり資格の基準を設けるべきこと、国による自治体向けのデータセンターのガイドライン作成、データセンターの重油や可燃性ガスの貯蔵に係る法解釈の明確化、排熱への法規制や近隣への補てん措置、温室効果ガス排出の法整備等々の必要性を訴えられました。

次に、柏市では、データセンター4棟の建築計画のうち、2棟が建設済みで、約31メートルの建物高さによる日影が大変問題視されていました。また、非常用発電機が大型であり、さらにはデータセンター1棟につき複数台建ち並ぶため、データセンター建屋のみならず、非常用発電機にも相当な圧迫感がありました。非常用発電機の毎月の定期点検等稼働時には、振動や騒音以外にも、黒煙がたちのぼり、異臭を伴う排気ガスが広範囲にひろがるため窓も開けられないなど、深刻な環境影響を訴えられていました。以上、両市の住民運動では、非常用発電機とそのための重油利用が大きな懸念の一つとして取り上げられており、まずはこの点につき、質問です。

GLP昭島プロジェクトの重油の総量と、オイルタンクおよび非常用発電機それぞれの数、設置場所は今後明らかになるのでしょうか。また、人や生き物・環境に配慮した設置計画を求め、可能な情報は公開し市民不安に対応するよう事業者に求めるべきです。お答えください。

柏市では非常用発電機が5基一斉に稼働した際、簡易測定ではあるものの騒音レベルが67~72dBの状況まで生じたそうです。また非常用発電機の環境影響に対し早急に防音壁をつける、なかから減音装置をつける、また排煙については排気筒を高くするなどの対策を協議なさっていました。市においては、事前に環境影響の予測と対策について、事業者に説明を求めるべきですが、いかがかでしょうか。また稼働時には測定と情報開示を求める考えがあるかお答えください。

さらに、先々月、あるデータセンターで非常用発電機の保守点検中に作業ミスにより重油が最大約4千リットル漏れ、一部が施設外へ流出したとの報道がありました。万一漏洩した際の対策まで確認しているかお答えください。また、重油は危険物に指定されており、引火性が高く、火災事故が起きた場合の対策についても確認が必要です。お答えください。
次に二点目、白井市・柏市の訪問を通じ、事業者・行政に対し市民意見が通るとの実感を市民が持っていないことが昭島市民との共通課題と捉えました。また、「事業者側が説明責任を果たさず、対話の姿勢を示さない」という問題意識のもと、昭島市、日野市、小平市、江東区、印西市、さいたま市の住民らで連帯し、「都市型データセンターあり方検討会」が発足したとの報道も聞き及びます。
GLP昭島プロジェクトについては、民間事業とはいえ、非常に大規模な開発計画であり市民不安が大きく、これまでの市長への手紙の数、東京都環境影響評価制度上での意見数、玉川上水南側地区地区計画策定に関連した意見数、および不安の主な内容と、どのように不安を払拭するかお答えください。
また、市とGLPとの今後の協議の開催頻度、造成工事開始前の市民とGLPとの協議の回数と、工事開始後の回数をお答えください。現在、市民とGLPは充分な協議ができていると捉えていますか。

最後に、事業者による地域貢献等について定める包括協定書は今後どのように内容をつめるのか、締結予定時期とあわせてお答えください。この際、地域貢献というからには当事者市民のニーズをまず捉える必要があり、協議を通じて意見聴取すべきではないでしょうか。そもそも、不安や疑念に対し、対面して協議の場があることが、包括協定書が目指す市民サービスのひとつと考えます。お答えください。
【環境部長答弁】

ご質問の1点目、GLP昭島プロジェクトについてご答弁申し上げます。

初めに、重油・非常用発電機、データセンターの騒音についてであります。

GLP昭島プロジェクトにおけるデータセンターでの重油を使用した非常用発電機について、開発事業者へ確認したところ、オイルタンクの重油の総量については、データセンターは秘匿性が高い建物のため、重油の総量に関する情報を公表する考えはないとの回答を受けております。

次に、オイルタンク及び非常用発電機それぞれの数、設置場所や人や生きもの・環境への配慮についてですが、数については非公表であるものの、オイルタンクの設置場所は地下への埋設を予定しており、二重殻構造を採用し、万が一重油が漏えいした場合でも周辺の環境に影響を及ぼさないよう安全な設計とし、非常用発電機については、地上部の建屋の中に設置を予定しており、騒音等による周辺への影響が少ない計画となっているとの回答を受けております。

次に、非常用発電機の定期点検等の稼働時の黒煙・異臭・振動や騒音についてですが、メーカーの推奨サイクルを参考に、日次、月次、年次の点検を実施する予定であり、黒煙等による周辺への影響が極力少なくなるよう、排煙の方向を工夫するなどして実施するとの回答を受けております。

次に、万が一重油の漏えい事故が起きた場合の対策についてですが、オイルタンクは地下に埋設され、二重殻構造を採用し、万が一漏油した場合でも漏えい検知設備が油漏れを検知するため、地中や建物外へ重油が漏れ出すことの無いよう安全な設計となっているとの回答を受けております。

次に、火災事故が起きた場合の対策についてですが、重油は地下に埋設したオイルタンクに格納されているため、火災の危険性は低く、建物自体も各種法令に基づき安全な計画となっているとの回答を受けております。

次に、事業者に対し非常用発電機稼働時の騒音等の測定や各情報の開示を求めることについてですが、非常用発電機が稼働した際の騒音や振動等につきましては、その設置位置により周辺環境への影響は大きく異なるため、現時点では事業者に対し測定等を求める考えはございません。また、情報開示につきましては、データセンターが秘匿性が高い建物であると一定程度理解するものの、周辺環境への影響を心配する声があることは十分承知をしております。重油や非常用発電機に関する情報を含め、可能な限りの情報をホームページ等で積極的に周知するよう事業者に対し協議の場等で求めてまいります。

【都市計画部長答弁】

御質問の1点目、GLP昭島プロジェクトについてのうち、協議状況等について、御答弁申し上げます。

はじめに、これまでに市民からいただいている意見数についてです。開発事業者による計画概要説明会が令和4年2月に開催されて以降、たいへん多くの御意見等を市民の皆様からいただいており、市長への手紙につきましては、500通強、玉川上水南側地区地区計画策定時には、検討段階に応じ意見聴取を行っておりますが、総計で1,000通弱の御意見がございました。

なお、東京都が行いました東京都環境影響評価条例に基づいた当該事業に係る環境影響評価書案に対しては、都民の方から400件強の意見書の提出があったと把握しています。

市民の皆様が、大きく変わる土地利用に対して、交通渋滞や交通安全、住環境への影響や緑環境等に心配や不安を抱かれていると理解しております。

開発事業者は、東京都環境影響評価条例の手続きにおいて、事業による周辺への影響及び対応策を明らかにしておりますが、市民の不安を払拭するためには、開発事業者は、更なる市民との対話に努め、相手の心情等を理解し、出来うる対応を講じることが肝要であると考えます。

次に、市と開発事業者との協議の頻度ですが、以前は月に1回程度、最近は2か月に1回程度となっておりますが、その他、必要に応じて、協議を行っております。

次に、開発事業者による市民への個別対応につきましては、本市が報告を受けているものとなりますが、工事開始前には70回弱、工事開始後は10回に満たなない数と聞いております。十分な協議か否かについては、当事者ではございませんので、答弁いたしかねます。

最後に、包括協定書につきましては、地域貢献等に関する事項について、施設運営開始頃に締結を予定しております。

アルファリンクが立地する他自治体の例で申し上げますと、防災・災害対策、産業振興、子ども・子育て、教育振興、スポーツ振興、健康づくり、障害者支援等その内容は多岐にわたり、また、自治体により異なっております。

本市の状況、地域の状況及び入居テナント並びに施設の状況等を鑑み、本市に即した包括協定書の締結を行ってまいります。

なお、市民の不安等の払拭につきましては、先ほど御答弁申し上げたとおりであり、また、市民と開発事業者が対面しての協議の場については、GLPと既に締結しております基本協定書において、施設運営協議会について規定しておりますので、包括協定書に記載する考えはありません。