2018年6月議会 篠原ゆか 一般質問報告 ③ 「生きる力」を育む教育について
【篠原質問】
大綱3、いきるちからを育む教育について質問いたします。
今年3月、都議会文教経済委員会において、足立区の中学校の性教育の授業について問題視する発言がありました。それは学習指導要領にしめされていない「性交」や高等学校で取り扱われる「避妊」や「人口妊娠中絶」が取り上げられ、中学校の発達段階に合わない内容、指導が行われたということであり、これに対して都の教育委員会この授業について「中学生の発達段階を踏まえてふさわしくない」とし「適切な指導を行う」と答弁しましたが、区の教育委員会は「不適切だとは思っていない」、「10代の望まぬ妊娠や出産を防ぎ、貧困の連鎖を断ち切るためにも、授業は地域の実態に即して行われ、生徒と保護者のニーズに合ったものだ」と反論しています。授業を実施した中学校の校長も「授業は自信を持ってやっている。自分やパートナーを大切にすることを伝える内容で、避妊方法に触れるからといって、性交をしてもいいとは教えていない」と話しているとのことで、決して批判されるべきものではありません。また一般社団法人「“人間と性”教育研究協議会(性教協)」は4月6日、「教育への不当な介入だ」として、都教委に対し指導の中止などを求める申し入れを行っており、大きな波紋を呼んでいます。中学校の性教育を委縮させるものになってしまうのではないかとも懸念されています。
2000年前後に起こった性教育バッシングは皆さんご存知かと思いますが、子どもにとって必要な性教育とは何かという本質的な議論をないがしろにしてきたのではないかと感じています。「性教育をすると性行動が活発になるのではないか。」というのは一般的な性教育についての反対意見ですが、すでに科学的な学びを保障することで性行動が慎重になるという調査があることからも、その反対意見がおとなの思い込みによって根強く残っており、そのことが子どもたちの性を学ぶ権利を奪っているといっても過言ではありません。
そこで質問です。
性に関する教育をどのようにわかりやすく伝えるかについて質問を行います。
足立区での事例後、東京都からの通達や指導などがあったのでしょうか、また、現在の性教育はどのように行われているのでしょうか。お答えください。
以上で質問を終わります。答弁をお願いいたします。
【答弁者:学校教育部長】
ご質問の3点目「生きる力を育む教育について」ご答弁申し上げます。
「性に関する教育について」でありますが、学校では、すべての児童・生徒に対して、「人間尊重」「男女平等の精神の徹底」を図り、性に関する基礎・基本的な内容を、児童・生徒の発達段階に即して正しく理解させるとともに、同性や異性との人間関係や今後の生活において直面する性の諸課題に対して、適切な意思決定や行動選択ができるよう性教育を行っています。
小学校段階においては、生命の誕生及び心身の発育・発達における男女差や個人差に関する基礎的事項を理解することや、家庭における役割は、男女の別なく分担し、互いに助け合うことが大切であることなどを学びます。
中学校段階においては、心身の発育・発達や変化など人間の性の成熟について理解することや、男女の生き方は多様であること、社会における性的な事象を見つめて適切な判断をすることなどを学びます。
ご質問にありました足立区の性教育の事例に関して東京都教育委員会から通達や指導があったかについてでありますが、通達や指導はございません。
本市の小中学校における性教育の実施状況についてでありますが、学習指導要領の内容に準拠して各学年の児童・生徒の発達段階に即した指導を実施しております。