憲法カフェ「絵本で感じる憲法~ありのままのあなたが大切~」
約50年もの間、親、教員、文庫の主宰者など様々な形で絵本と関わってこられた山崎翠さんによる、「絵本で感じる憲法~ありのままのあなたが大切~」の講演が終了しました。
73年前、世界ではじめて広島に原爆が投下された8月6日の実施となり、真実を伝えてゆきたいとのお言葉とともに、追悼の想いも込めての「絵本 おこりじぞう」の読み聞かせから講演が始まりました。絵本のなかで小さい命が突然に消えてくゆく世界が山崎さんの声とあいまり迫ってきて、皆さんは冒頭から熱心に聞き、時に涙ぐむ姿も見られました。
この日の講演テーマは「絵本で感じる憲法」です。これまで受けてきた教育、政治を距離を置くことをよしとする風潮から、憲法は身近なものではなく難しいものと捉えてしまいがちです。しかし、実際には私たちの生活の土台となっている憲法を、今回は親しみがある絵本を通じて身近に感じてみようという試みです。
数多くの絵本の紹介と、読み聞かせ、合間をぬっての山崎さんのこれまでの憲法との関わり、時事問題から伺える現在の社会状況の困難さから、
・一人ひとりが大切な存在であることが憲法のおおもとにあること
・想像力は欠くべからざるものであること
・憲法は人権の束であること
・憲法を守るべきなのは 権力を持っている政治家や公務員であること
・だから、私たち1人1人が選挙にいって政治家を選ぶことが大事であること
など、2時間かけて沢山のことを伝えて頂きました。
子育て中の親御さんが多く参加下さり、これから絵本を用いて子どもに何を伝えられるか考えるヒントを頂きました。「ありのままのあなたが大事。私の宝物。」と伝えることができたかな?私達おとなが、生きる上で大切なことを見直すひとときとなったのではないかと思います。自分1人が良ければ生活が成り立つ訳ではなく、社会で暮らす以上は自分を大切にした上で、他者をも大切にしなければならない。相手への想像力、思いやりにあふれる社会にしていくために私たち1人1人、誰でもができることはあるはずです。