報告:お話会+交流会 「絵本から学ぶ命と平和」
7月8日(水)勤労商工市民センターにてなかよし文庫主宰の山崎翠さんを講師にお招きし、お話会+交流会 「絵本から学ぶ命と平和」を開催しました。
絵本をこどもに読んであげるときに、大人からの目線ではなく主体はあくまでもこどもです。読み聞かせではなく、「聞いてくれる?」と目の前の3歳・4歳子ども達に「ころころころ」の絵本を読み始めました。場面ごとに抑揚をつけコロコロ、コロコロと早さも変えて・・・。こども達は、目を丸くして絵本の中に吸い込まれました。
生きていくのに必要なものは「水」と「空気」と「言葉」です。言葉は人と人をつなぐ大切なもの。言葉を選び、確認しながらお話が始まりました。
新聞記事の紹などもありました。ひとつは犯罪を犯し死刑の判決を言い渡されている青年のコメントです。「もう死刑は覚悟しています。こんな社会には生きたいとは思いません」の記事を読みあげる講師の目には涙、声もつまらせ…。 そんな何の希望も持てない現代社会になってしまっているんですね。
こどもはお母さんひとりのものではありません。未来から預かっているのです責任をもって良い世の中をつくりましょう。平和憲法があるから外国に行っても「日本は武器を持っていないから・・」と上陸を認めてもらえるピースボートの話しも織り交ぜながら、いま、安心して暮らせるのは平和憲法があるからです。市民レベルの国際交流や文化交流が大切なのです。と話をまとめられました。
その他、子どもは親が私物化するべきではなく、子どもが社会においていかに大切な存在であるか、また大人はどのようなスタンスで子どもを育てていくべきかについての提言もありました。具体的には、その力と才能は人類のために捧げられるべきものであるとし、1959年国際連合総会にて採択された児童の権利宣言10条「児童は、人種的、宗教的その他の形態による差別を助長するおそれのある慣行から保護されなければならない。児童は、理解、寛容、諸国民間の友愛、平和及び四海同胞の精神の下に、また、その力と才能が、人類のために捧げられるべきであるという充分な意識の中で、育てられなければならない。」を引き合いにだされました。
講師の山崎さんは、直近で絵本が絡む講師をなさる際には、併せて憲法のお話もなさっているとのこと。このあとは、憲法のお話にうつりました。自民党による日本国憲法改正草案も随所で参照しつつ、特に日本国憲法13条の個人の尊重を中核とする立憲主義は、憲法のなかでも非常に大切な権利であるにも関わらずこの権利が考慮されていない、として現在の風潮を憂慮されていました。一方、そのような風潮にいてもたってもいられず行動を起こす国民がでてきているとし、その一例として瀬戸内寂聴さんの実例と言葉を新聞記事より紹介下さいました。
絵本を通じて、子どもの権利の再確認や、未来を担う存在を育てているという自覚に基づく環境整備の必要性、また憲法他様々なことについて自ら学び必要に応じては行動することの大切さなど様々なことを考えさせられながら講演は幕を閉じました。その後は、皆で昼食を食べながら山崎さん・参加者との交流をし学びを深め会は終了しました。