2017年9月議会 篠原ゆか 一般質問報告 ①民間の力を活用した創業支援施策で地域の活性化を

篠原ゆかの9月議会の一般質問とその答弁を報告します。

【篠原質問】

ただいま議長の指名を受けましたので、通告に従い一般質問を行わせていただきます。今回質問を行うのは「民間の力を活用した創業支援施策で地域の活性化を」と、「子どもたちの心と体の成長を促す取り組みについて」の二点です。趣旨をお汲み取りいただき明確な答弁をお願いいたします。

それでは一点目、民間の力を活用した創業支援施策で地域の活性化をについて質問を行います。

各自治体において行われている創業支援ですが、創業支援施設が着々と増えていっています。創業支援施設について最近の多摩地域の状況は、創業支援施設は過去3年間で11か所増加して現在35施設設置されています。また、創業数や創業前及び創業後1年以内融資額、創業補助金採択のいずれも増加傾向にあります。業種では、サービス業、建設業、飲食業、卸、小売り業、医療、福祉系が多い傾向にあるそうです。

また、住居地の近隣地域での創業希望者が増加し、支援を受ける人は40代女性の比率が上昇しているそうです。創業の動機は自己実現の中での社会貢献を行っていけたらと思う人が多いとのことです。

先日武蔵野市に今年度から始まった女性の創業支援を重視した創業支援施設についてのお話を聞くために伺いました。武蔵野市では今年度から創業支援施設を四か所開設しました。

キッチンを登録されたメンバーで共有し、自分のお店として使うことのできるシェアキッチン二か所、女性向けの講座やマルシェ、セミナー開催、レンタルボックス、キッチンが併設されているコミュニティスペースが一か所、カフェ併設のコワーキングスペースが一か所の計四か所です。

その中の一つ、MIDORINO_は、シェアキッチンとして開設されました。武蔵野市にある住宅街の中の商店街を活性化する目的と、女性創業支援を行うために開設されました。MIDORINO_は「飲食営業」「菓子製造」「惣菜製造」「ソース類製造」「粉末食品製造」の5つの製造許可を取得しており、フードモール型シェアキッチンとして活用されています。もう一つのシェアキッチン8K(はちケー)は8人で使うシェアキッチンです。地域に開かれたキッチンを8人で共有し自分のお店として使うことができます。パン、スイーツ、デリ、ケータリングなどオリジナルの屋号を設定し、メンバー同士のコラボレーションや同業サポートを受けながらお店を開業してみる、というものです。シェアキッチンの利点は創業しようと思っている人へのチャレンジの場であり、やってみてうまくいかなければもう一度立ち止まって考えることができ、うまく顧客を獲得すれば、開業した当初から常連客を持つことができるというところです。また、新しく開業していくことでその場所に人を呼び込むことができ、地域の活性化という部分でも非常に寄与していくものだと考えられます。

また、食だけではなく、子ども、高齢者、コミュニティといったテーマでビジネスを作りたいと思っている人たちの相談場所や実際に企画を行っていけるような創業支援施設を作ることも重要だと感じています。何かをやりたいと思ったとき、資金、場所、道具など、自分が一人で継続して行っていけるかわからない仕事をやろうと思うと高いハードルがあり、どんなにアイデアを持っていてもあきらめる人が多くいるのが現状です。そんな中で、創業支援施設という場所で「ちょっとやってみる」というチャレンジできる場があることで創業したい人たちの壁をなくしていくことができます。また、その周辺に住む方たちも、あそこに行けば何かおいしいものがあるかもしれない、何か楽しいことをやっているかもしれない、という場所があればそこに人の流れができていき、地域の活性化という部分でも非常に大きく貢献していくのではないでしょうか。

そこで質問です。

現在の昭島市の創業支援体制について教えてください。創業支援のための補助金についても教えてください。

次に創業支援施設について質問します。武蔵野市で行われているように創業支援施設での人材育成、継続的な支援を行ったらどうかと考えますが市の見解をお聞かせください。

【答弁者:市長】

私の至心であります、住んでみたい、住みつづけたい、生業をし続けたい、してみたいと言える昭島市になるよう努力しているところでございますが、我が国は、本格的な人口減社会を迎えるとともに、急速な高齢化とあいまって、これまでに体験したことのない課題に向き合っております。

こうしたなか、地方自治体は、大企業の立地による税収と雇用の確保といった産業振興策から、自らが地域の資源や人材に目を向けて、創業支援や事業承継支援、観光まちづくりといった独自性を持った産業振興に取り組まなければならなくなりました。

平成29年3月に策定いたしました、本市の産業振興計画の中でも、商業での施策の基本目標として、既存商店の魅力向上、昭島ブランドの開発・販売と、ともに若者の創業支援を掲げております。

本市の創業支援につきましては、一つ目として、創業に係る疑問や創業後の悩みなど、創業を目指している方や、創業間もない方への相談を受けるワンストップ窓口相談事業、二つ目として、創業時に係る店舗改装費や家賃の負担を補助する、空き店舗活用補助金事業、三つ目として、開業時に係る資金を融資するための中小企業及び小口事業資金融資事業を、基本に行っております。

また、昨年度からは、多摩・島しょ広域連携活動助成金を活用し、立川市、福生市と3市で連携した三市創業支援事業協議会T.A.Fを立ち上げ、自治体の枠組みを越えた創業支援事業を行っております。

この事業によりまして、幅広い創業者の掘り起しと、各市の創業者や創業希望者を結びつける場を作り、創業者同士のネットワークを作成、強化し、地域産業の活性化を目指すこととしております。

創業支援につきましては、これからも、やる気があり、元気があり、魅力ある創業者を支援し、まちに、にぎわいを取戻し、地域が活性化する施策を展開してまいります。

【答弁者:市民部長】

ご質問の1点目、民間の力を活用した創業支援施策で地域の活性化についてのうち、2点目の創業支援施設についてであります。

創業を目指す方にとって、出店後の経営が安定して成り立つかを判断することは、非常に重要な問題であり、出店を躊躇する要因であります。そうした中で、創業支援施設での支援を受けながら事業が持続可能となれば、創業者にとって大きな経験となり、経営を見極める判断材料としての効果が期待されます。

ご質問にございました、武蔵野市の「むさしの創業サポート施設開設支援事業」は、地方創生加速化交付金と市の予算から、市内で創業を希望する女性を主な対象とした創業支援施設を、新たに開設・運営する事業者に対して、施設整備費及び運営費の一部を補助するものであります。

武蔵野市では、昨年度、事業者を募集した結果、7社から応募があり、審査の結果、29年の2月、3月に4カ所の創業支援施設が補助を受けてオープンしたとのことであります。内容は、飲食・食品販売等のシェアキッチンや、女性向けのシェアオフィスと交流スペース、チャレンジカフェ、カフェ併設のコワーキングスペースなどが開設されております。

本市においても、このような創業支援施設での人材育成、継続的な支援を行ってはどうかとの事ですが、この事業は、国の加速化交付金を受けての事業であり、補助金がなくなった後も、創業支援施設としての事業が継続するようにしていかなければなりません。また、武蔵野市と本市の立地条件等を比較検討し、本市に当てはまるべき施設があるかどうか、また、事業者を応募して、どれだけの応募数があるか、地元商店街との調整など、実行する場合は、詳細な調査と多くの課題がございます。

今後は、武蔵野市など、他市で実際に運用している事業について調査・研究し、本市において事業展開が図れるものなのか検討してまいります。