2017年9月議会 篠原ゆか 一般質問報告 ②子どもたちの心と体の成長を促す取組みについて

【篠原質問】

子どもたちの心と体の成長を促す取り組みについて質問します。

近年、子どもの遊び場が減少しています。公園のボール遊び禁止や大声を出してはいけないなどのルール、放課後の校庭利用の禁止など、子どもたちが自由に思いっきり遊んだりできる場所がありません。そのため野球、フットサルグループやサッカーチームに所属させているという親御さんもいらっしゃいます。しかしながら毎日習い事をさせることはどこの家庭でもできることではありません。平日の放課後という毎日の生活の中で学校ではない時間をどのようにとらえるかということは非常に重要だと感じます。

放課後子ども総合プランは共働き家庭等の小1の壁を打破することや児童の健全な育成を図るために放課後等を安心安全な環境で多様な体験、活動を行うことを目的に策定されたものです。しかしながら、子どもの立場から見た学校が終わった後の時間、学校長期休暇中など、その時間をどのように過ごすことが子どもたちの最善なのか子どもの成長にふさわしい場所であるのかという本来ならば一番重要視しなくてはいけない視点がまだまだ欠けているように思います。

また、1994年に批准された子どもの権利条約の第31条では子どもの休み、遊ぶ権利について記されています。しかしながら現在の状況は子どもたちの放課後の遊び場が十分に確保されているとは言い難い状況にあります。海外では学童保育について学校教育と同じレベルに位置付けている国が多く、その理由は次世代を担う人材育成、ひいては経済成長につながる観点から非常に子どもたちの放課後について重要視しています。

また、2002年の中央教育審議会で子供たちの体力、運動能力の低下が指摘されました。子どもたちは遊びを通して、いろいろ難しいことに挑み運動能力や心の発育、発達、創造性や主体性をはぐくんでいくことができます。ほかの子どもと一緒に遊ぶことでコミュニケーション能力も育ちます。こういった環境を保証すべきと考えます。放課後の子どもの居場所についての質のチェック、学校等の連携についてはどうなっているのか、子どもたちの放課後の在り方について私たち大人が議論を交わさなければいけないことは多々あるように感じます。そのことを踏まえながら児童センターの在り方、放課後子ども総合プランについて質問を行っていきたいと思います。

移動児童センターについてお聞きします。

まず初めに児童センターについての基本的な考え方についてお聞きします。児童センター増設についての計画、スケジュールについてお聞かせください。

次に放課後子ども総合プランについて、現在の児童数から見る登録者の割合はどのくらいになるのでしょうか。

途中退会者の人数はそのくらいになりますか。放課後の子どもたちの居場所についての基本的な考え方、具体的な方策、スケジュールや今後の目標についてお聞かせください。

以上で質問を終わります。明確な答弁をお願いいたします。

【答弁者:子ども家庭部長】

ご質問の2点目子どもたちの心と体の成長を促す取り組みについてのうち、1点目移動児童センターについてご答弁申し上げます。

本市における児童センターにつきましては、平成9年度に「昭島市児童館構想」を策定し、平成15年度に1館目の児童館を開設いたしました。

利用の状況でございますが、昨年度は改修等による一時閉館のため例年に比べ、若干、利用者の減少はありましたものの、年間5万人を超える来館者があり大変に好評を得ております。

平成22年度から平成26年度を期間とする「昭島市次世代育成支援後期行動支援計画」の「子どもの居場所の確保」の中でも、2館目の設置を検討するとなっており、また、「昭島市総合戦略」におきましても、児童センターの充実として、「2館目の設置を検討」となっております。

2館目の設置にあたりましては、設置場所および財源の確保が重要課題となってまいります。

また、補助金の申請を行う上で、事業計画に組み込まれている必要性も生じました。

そのため平成28年12月に行われました、子ども・子育て会議において、「昭島市子ども・子育て支援事業計画」に、児童センターを事業として追加させていただいたところでございます。

今後のスケジュールでございますが、設置場所および補助金を確保させていただいたうえで、計画を進めてまいりたいと存じます。

また、移動児童センターにつきましては、実施している他市の例を見ますと、市立会館や小学校・幼稚園等にスタッフが出向いて、子どもと保護者の遊びや交流の場を設けたり、児童館から離れた場所に月1回スタッフが出向き、幼児・小学生・中学生を対象に野外での活動などを行っているようです。

本市におきましても児童センターの設置が市内に1か所であるため、移動児童センターについては大変に有効な事業かと存じます。

しかしながら、現在児童センターの運営につきましては、社会福祉法人に委託をしておりますことから、近隣市の状況や財政状況等を踏まえ、調査研究をしてまいりたいと思います。

次に、細目の2点目放課後子ども総合プランについてご答弁申し上げます。

放課後子ども総合プランの趣旨といたしましては、共働き家庭等の「小1の壁」に対応するとともに、次代を担う児童の健全な育成を図るため、小学校1年生から6年生までの全ての児童が放課後等を安全・安心に過ごし、多様な体験・活動を行うことが出来るように、一体型または連携による学童クラブ及び放課後子ども教室の体制整備を行うものです。

平成28年度末現在、在籍数に対する放課後子ども教室の登録数といたしましては、各学校ともに50%を超える登録をいただいております。毎日の参加人数といたしましては年間平均ではありますが25%ていどでございます。放課後子ども教室につきましては事前登録のみの対応となってございますことから、年度途中の退会につきましては申し出の必要がないため人数はカウントしておりません。

放課後総合プランの具体的な内容といたしましては、学童クラブに入所している児童が、学童クラブの保育時間内において、放課後子ども教室が実施しているプログラムに参加できるように体制を整えるものでございます。

学童クラブの児童は、当然ながら共通プログラムの終了後は、また保育に戻ることが出来るようにするものです。

今年度におきましては、試験的な実施及び、放課後子ども教室のコーディネーターと学童クラブの支援員との話し合いの機会をもち、どのような形で共通プログラムを行ったらよいか等を打ち合わせ、来年度以降順次、学童クラブと放課後子ども教室が共通プログラムを実施していけるよう検討してまいります。