林まい子一般質問② 安心して食べられる学校給食にしよう

林質問

大綱2 安心して食べられる学校給食にしようについて質問します。
食は、身体を作りあげ、私たちが生命活動を行う基盤を作ります。
また、食材は、農薬、遺伝子組み換え、ゲノム編集など農や技術の在り方、放射能汚染、地産地消など、社会に目を向ける窓口にもなります。食から学べること考えられことは多々あります。昭島・生活者ネットワークは平成29年~30年にかけて、「子どもに食べてもらいたい学校給食」をテーマに市民の方々と共に給食センター見学と試食、ヒアリングを実施しました。
給食センターでは、猛暑のなか重労働をなさる調理員の方々のお姿を拝見し、ヒアリングでは、定められた予算や一連の法令・規則のもと子どもたちが喜ぶような献立を考え、いかに良質な食材を調達するかにご尽力頂いていることが分かりました。
その後、他の自治体との比較をし、市民同士で何度も意見交換を行いました。あわせて「いただきます」という食育映画の上映も実施し、ひろく参加者から食についての考え方や希望を伺うこともできました。別に市民活動の一環で、昭島市子どもと親の家庭教育講座の制度を用いて、自由の森学園学食ご関係者に講演頂きましたが、「人にも環境にもやさしい食、子どもに食から伝えられること」とは何かと参加者一同大いに考えさせられました。昨年3月定例会で、篠原ゆか議員、大嶽たかえ元議員が給食について市民の声を伝える質問をなさいましたが、当時のご答弁も踏まえて質問させて頂きます。
細目1 生きる力になる食育をしよう
昨年市内のある小学校が、登校60分前の起床「グッドモーニング60分」推進に伴い、現状把握のため生徒に対してアンケート調査を実施しました。1日もグッドモーニング60分ができなかった生徒が回答者363人のうち、42人、うち1日も朝ごはんを食べれなかった生徒は71%という調査結果でした。
家庭から食の大切さを伝えられば何よりですが、この数十年で働き方や家庭の在り方、食を含めた社会状況に劇的な変化が起き、ご家庭ごと食に対して様々な向き合い方や捉え方が生じているのだと推測します。そのようなとき、学校給食は、食への感謝はもちろん、食べたものが身体を作るという認識、食文化の継承など、様々なことを伝える媒体になると考えます。
そこで、質問です。
昭島市の食育指針をどのように具現化していますか。

答弁者: 学校教育部長
担当: 学校教育部 学校給食課
本市では、学校給食を「生きた教材」として活用し、さまざまな体験活動を通じて、食に関する知識と食を選択する力を習得し、健全な食生活を実践できるよう食育の推進に取組んでおります。また、夏休みには、親子クッキング教室を開催し、親子で料理をすることを楽しみ、自分で作った料理を食べることで満足感や達成感を体験し、食への興味・関心を持つきっかけづくりとしております。こうした食育推進の取組みは、毎年、学校給食週間にあわせて実施する、市役所市民ロビーでのパネル展示等を通して、保護者や市民の方々に紹介しております。

林質問
次に、お弁当の日、食育指導、牛乳の食べ合わせについてお伺いします。
・まず、お弁当の日について
家庭にしっかり目的が伝わっていると捉えていますか。
②家庭に目的が浸透していないことを想定し、学校では子どもが目的を理解できるようフォローしていますか。
③忘れた子の割合はどれくらいですか、またその対処はどのようにしていますか。

答弁者: 学校教育部長
担当: 学校教育部 学校給食課
①教育委員会から全家庭に、実施の趣旨や実施日などを通知するとともに、各学校におきましても、学校便り、給食便り、ワークシートを配布するなど、全家庭が目的を理解して意欲的に取組めるよう周知しております。
②各学級担任により、家族と一緒にお弁当を詰めたことやおかずを作ったことを振り返ったり、作ってくれた家族に感謝して食べようと声をかけたりするなど発達段階に応じた指導を行っております。
③0.11%で、その対応といたしましては、保護者へ連絡し届けてもらう、届けることが難しい場合については、学校の教職員がお弁当等を買いに行き、お弁当箱に詰め替えをするなどして、対応をしております。

林質問

・次に、学校での食育指導について
①市としてその年の目標はありますか。
何の授業科目で実施していますか。また、各校で実施にばらつきがあり、学校によっては、一年間で一度も食育指導を受けない学年もあるようです。なぜでしょうか。
栄養教諭増員の要望を課題に挙げていらっしゃいますが、どのような状況ですか。
④保護者にみえてこない食育推進チームの役割と取り組みはどのようですか。

答弁者: 学校教育部長
担当: 学校教育部 学校給食課
① 市として設定しておりませんが、数年前から「和食大好き昭島っ子」というキャッチフレーズを掲げ、和食に関連する調味料や、米、豆、マナーなど、年度ごとに栄養教諭や栄養士が学校訪問の際に重点的に取り上げる内容を決めて実施しております。
② 各学校では、食に関する指導について、「食事の重要性、食事の喜びや楽しさを理解する。」、「食事のマナーや食事を通じた人間関係形成能力を身に付ける。」、「食物を大事にし、食物の生産等に関わる人々へ感謝する心をもつ。」など、児童・生徒の実態に応じて目標を定め、全体計画及び年間指導計画を作成し、計画的に食育を実施しております。具体的な授業の教科等につきましては、給食指導を含む特別活動をはじめ家庭科、生活科、社会科、理科、体育科、特別の教科 道徳、総合的な学習の時間など、教育活動全体をとおして実施しております。そのため、一年間を通して、食育指導を受けていない学年はございません。
なお、栄養教諭や栄養士、給食調理員等が学校を訪問して食育を行うことにつきましては、学校給食共同調理場から給食を配食している小学校においては、原則として1年生、3年生、5年生で実施しております。自校給食校につきましては、各校に配置されている栄養士が各校の状況に応じて計画的に実施しております。
③ 全国市長会を通じて国へ要望しておりますが、栄養教諭が増員されない状況にございます。
④ 食育推進チームは、食育を充実させるために、校内組織として、校長の指名を受けた食育リーダーや給食主任、養護教諭などを中心に設置しております。取組みとしましては、食に関する指導の全体計画を作成するにあたり、児童・生徒の実態把握を実施したり、次年度の指導を充実・改善するための検討、お弁当の日の取組の事前・事後指導の計画立案などを行っております。

林質問
・最後に、牛乳の食べ合わせについてです。保護者より、和食や中華料理の日に牛乳はあわないとの多くのご意見を頂きます。また、平成25年12月には和食がユネスコ無形文化遺産に登録されました。「第二次健康あきしま21」でもこの登録をもって食文化の良さを見直し、日本型食生活の実践をする必要があるとされていますが、和食にも牛乳が当たり前と感じる状況を作るのはいかがなものでしょうか。牛乳は学校給食法の完全給食の定義、カルシウム摂取、栄養計算や補助金の関係で毎日献立にあがるのだと理解はしていますが、食育上牛乳の食べ合わせについて市はどのように考えていますか。

答弁者: 学校教育部長
担当: 学校教育部 学校給食課
学校給食で必要とされるカルシウムを、栄養摂取量と価格の両面の要件を満たしている食品として牛乳を提供しております。

林質問
細目2 物資購入基準書の見直しについて
定められた予算と限られた人員のなかすでに多大なご尽力あっての給食提供であることは充分認識していますが、私は1人の親としても、一定の条件のもと最大限の安心な給食をと願っております。いまの社会経済状況を背景に無償化という切り口から給食を考える必要もありましょうが、食はまさに身体を作るため質の担保もあわせ重要です。食材を選択し消費し需要を作っていくことは、社会の在り方を変えることにも繋がると考えています。市はどのような視点から食材調達をしているか質問させて下さい。

・物資購入基準書が本年4月に更新されましたが、昨年定例会で物資購入基準書の遺伝子組み換え、添加物についての質問がありました。それを踏まえどのように更新がなされましたか。

答弁者: 学校教育部長
担当: 学校教育部 学校給食課
遺伝子組み換え食品は使用しないこと、添加物については、食品の分類ごとに基準を設け、可能な限り安全なものを必要最小限使用することとしており、本年4月以前の物資購入基準書と変更はしておりません。

林質問
・次に、食材選定につき質問します。ゲノム編集食品、有機農産物、放射能測定についてです。

①まず、ゲノム編集食品です。ゲノム編集食品は国へ届け出なくても罰則はなく、食品表示の義務化も見送られ、いまの状態では今後区別がつかないまま市場に流通見込みです。東京大学の研究チームが昨年実施したインターネット調査では、約1万人のうちゲノム編集技術を知っているのは半数以下。43%がゲノム編集された農作物を「食べたくない」と答え、「食べたい」の9.3%を大きく上回っています。昭島でも同様に市民の不安があるのではと推測しますが、市のゲノム編集食品についての考えをお聞かせ下さい。

②次に、有機農産物です。いま世界では健康疾患や環境に配慮し持続可能な社会を目指すために有機農業が注目され、この17年間で世界の耕地面積は5倍になっています。昭島市消費生活展で昨年講演なさった印鑰 智哉さんより国際的には国連機関も協力の上で国際有機農業運動連盟の活動が展開されているとのお話もありましたが、日本では農薬の残留基準値が2017年に引き上げられ、消費者団体などからは批判の声が上がっています。
EU、韓国はじめ有機給食が提供され、特に韓国では全ての生徒に有機で無償の給食を提供する市も出ています。国内でも、一部自治体が給食への有機食材取り組みをスタートしています。以上の状況を踏まえ、市は有機農産物についてどのように考えますか。

③最後に、放射能測定です。2017年3月8日、市民団体が子どもたちの放射能被ばくリスク軽減に係る給食食材と移動教室先の測定について、319名分の署名とともに要望書を提出しました。国の基準値に疑問を感じる市民からの測定要望が実際にあります。一般的に放射能汚染が高いと思われる食材の選定および測定についてどのように考えますか。

 

答弁者: 学校教育部長
担当: 学校教育部 学校給食課
①ゲノム編集食品は遺伝子を改変する新しい技術でありますが、現時点では表示の義務化が見送られていることから、使用しているか否かの区別をつけることができません。今後の動向に注視する課題であると考えております。
②食の安全性の面では有効なものでありますが、学校給食においては、価格や使用量の安定的な確保などから、使用について困難性があるものと考えております。
③市場に流通している食品は一定の安全性が確保されていると認識をしておりますが、放射能汚染が高いと思われる食材につきましては、産地、製造元を確認し、ホームページによる調査などを通して、安全性が高いと判断したものを優先して選定をしております。

林質問

細目3 新学校給食共同調理場について
・昨年定例会で「新学校給食共同調理場整備基本計画では、基本方針に災害時に食糧提供の拠点として炊き出しが可能な熱源や電源の確保などを掲げている。バルク供給システムや太陽光パネル、自家発電設備などの具体的な設備等については今後検討」とのご答弁がありましたが、その後どのように検討なされていますか。

以上、子どもたちが学校生活で楽しみに美味しく頂いている給食ですが、他市の状況を勘案しながらも昭島市として何を大切にして提供するのか、また給食と食育を通じて子どもたちにどのような大人になって次世代をひっぱってもらいたいのか「昭島らしさ」と社会の持続性まで視野に入れて、明確なご答弁を宜しくお願いいたします。

答弁者: 学校教育部長
担当: 学校教育部 学校給食課
「財団方式による運営」につきましては、現在、学校給食調理業務は、自校給食校の中学校3校は民間に委託しておりますが、その他は市の直営で運営しております。今後の運営方法につきましては、学校給食の安定提供と効率的、効果的な運営を図るために、どのような方法が最適なのか、様々な角度から検討してまいります。
つぎに、「バルク供給システムや太陽光パネルなどの設備」については、防災機能を有する施設として整備をしていくこととしておりますので、バルク供給システムなど熱源や電源の確保などについては、今後施設の整備を具体的に進めていく中で検討してまいります。