2018年3月議会 おおたけ貴恵 一般質問報告 ②アキシマクジラから見える過去、現在、未来の生物多様性について、市民とともに考えよう③蛇口をひねれば美味しい水道水の飲み続けられる持続可能な環境整備のために、 地下水保全条例をつくろう

大綱2.アキシマクジラから見える過去、現在、未来の生物多様性について、市民とともに考えよう、についてお聞きします。

細目(1)<特定外来植物への考え方について>

外来植物であるナガミヒナゲシへの現状の取り組みについて、教えてください。

昭島市の特定外来植物への考え方について、お聞かせください。

細目(2)水と緑の基本計画にある「生物多様性の保全」の施策の進捗状況について、お伺いします。

新たな重点項目として「水」「市民との協働」「質の維持・向上」の視点が取り入れられた「水と緑の基本計画」が平成23年度からスタートしました。いよいよ目標年度である平 成 33 年度も視野に入れ、目標達成のための活動を考えねばなりません。具体的にどのように進められているのでしょうか。

計画の中の施策である環境課が取り組む「 市民との協働による自然観察会や動植物調査など、 生物多様性に関する啓発活動に取り組み、さまざま な生物が市域に生息・生育できるよう努めます。」の進捗状況を教えて下さい。

環境課と社会教育課が取り組む施策「市域に生育する樹木や草花の情報を整理した「あき しまの植物」や、河川や水路等に生息・生育する水 生生物の図鑑を作成します。」の進捗状況を教えてください。

さて議員の研修で2月に群馬県の自然史博物館の木村先生をお招きし、日本古生物学会の英文誌にアキシマクジラの研究の発表のこと、素晴らしい発見だったことをお聞きしました。木村先生から「過去の生物多様性」という言葉も聞き、化石から多くのことを学ぶことができる(仮称)教育福祉総合センターへのアキシマクジラのレプリカと化石の一部の展示がされることますます楽しみにしています。環境課と社会教育課と連携した「生物多様性」を目で見てわかる場所にもしていかねばならないと改めて実感しました。(仮称)教育福祉総合センターでも今後連携した取り組みをしてはどうでしょうか。市の考えについて考えをお聞かせ下さい。

細目(3)市民参加で取り組む生物多様性地域戦略について、お伺います。

市民参加で取り組む生物多様性地域戦略について現状と今後について、市の考えをお聞かせください。

大綱3.蛇口をひねれば美味しい水が飲み続けられる持続可能な環境整備のために、地下水保全条例をつくろう、についてお聞きします。

下水道運営で外資を含む企業連合と契約した浜松市の昨年のニュースには驚きました。2017年10月30日、世界の「水メジャー」の一社であるフランス水道事業運営大手のヴェオリアやオリックスなど6社の企業連合が、浜松市下水道施設の運営権売却(コンセッション)について正式契約を結んだと発表しました。

同企業連合は2018年4月から20年にわたり事業を担う予定です。従来の事業費と比べ14%、87億円のコストダウンを実現することを目指しています。

今後上水道についても検討をしていることには驚きました。今、世界の常識は、パリ市をはじめヨーロッパでは、水道事業などが民間から再び公営化されています。 役所が行う業務の一部を民間に委託することはそれほど珍しいことではありません。ただし、今回は運営権を丸ごと売却する「コンセッション」というスキームが活用されているところに危機感があります。

深層地下水100%の水道水を飲むことができる恵まれた環境の昭島市として、地下水保全条例を策定すべきということを私は言い続けていますが、今回一般質問で市の姿勢を改めて問います。

細目(1)(平成27年度から)昭島市も環境省のウォータープロジェクトに参加しています。現状と今後の目指す取り組みを教えてください。

細目(2)地下水を飲むまちの責任として、地下水保全条例を昭島市から率先して作ろうについて、問います。

先ほど紹介しました浜松市ではコンセッション方式が導入されようとしていますが、昭島市ではありえない考え方と思いますが、昭島市の考えをお聞かせください。

次に深層地下水を飲むまちの責任として、地下水保全条例策定への進捗状況を教えて下さい。平成27年第1回定例会の答弁において、「水源の保全と涵養、地下水の保全と利用など、水循環における課題を解決するためには、水が流域、地下水域を単位として循環していることにかんがみ、流域における水循環に関する課題を明らかにしつつ、各主体が総合的かつ一体的に取り組むことが必要で。本市だけの条例ということではなく、国等、流域の自治体とも連携を図りながら検討をしていく課題。」と答弁いただいています。その課題を解決し、一歩ずつ踏み出していく時期ではないでしょうか。

あきしまの水ブランドを構築し、 「あきしまの水」は、昭島市民だけのものではなく、武蔵野台地を含む周辺地域の共有財産(公共水)でもあり、その恩恵を受けている昭島市民は、自然と周囲の環境を保全する人々に感謝し、周囲への配慮・思いやりを忘れずに、水を大切に使うことが大事だと昭島市のウェブサイトで発信されています。ならば公共水を飲ませていただいている、偶然の産物である恵まれた環境を保全すべき一歩は昭島市からすべきではないでしょうか。

以上明快な答弁をどうぞよろしくお願いします。

【答弁者:環境部長】

ご質問の2点目、アキシマクジラから見える過去、現在、未来の生物多様性について、市民とともに考えようについてご答弁申し上げます。

初めに、特定外来植物への考え方についてであります。ナガミヒナゲシは、1961年に日本に移入したとされる外来植物であり、ここ数年で爆発的に繁殖し、街路の植え込みや空き地などに自生しております。昨年、マスコミで取り上げられたことにより、市民の方々から駆除や啓発の要望が寄せられたため、本来あるべき植生への影響を考慮し、市ホームページに適切な駆除方法等について掲載したものであります。本来の植生維持のため、引き続き、啓発を続けてまいります。

特定外来植物は、現在16種類が法定されており、市内にもオオキンケイギクやアレチウリなど複数の植生が確認されております。市といたしましては、生態系等に係る被害を防止し、生物の多様性の確保、人の生命及び身体の保護、農業等の健全な発展のため、法令に基づき、防除等の措置を講じるとともに啓発を続けてまいります。

次に、水と緑の基本計画にある「生物多様性の保全」の施策についてであります。市民との協働による自然観察会や動植物調査につきましては、市民を対象とした環境学習講座を継続的に開催しており、平成27年度からは生物多様性をテーマとし、現在まで計16回開催しながら、植物、昆虫、水生生物、鳥類など様々な生物の調査や分類の仕方などを学習しております。「あきしまの植物」や「水生生物の図鑑」の作成に向けましては、現在、環境学習講座の参加者を中心として生態調査を行っている状況にございます。

(仮称)教育福祉総合センターの新郷土資料室の展示内容につきましては、現在、文化財保護審議会において、大枠の区分を検討中であり、「自然」という区分において、地理・地形・植物等をどのように紹介できるのか協議を進めております。今後は、区分ごとの具体的な展示を検討する予定でありますが、その中でどのような展示が可能か、関連部署とも調整を図ってまいります。

次に、市民参加で取り組む生物多様性地域戦略についてであります。生物多様性地域戦略策定に向けましては、昨年12月に、市内で環境活動等を行っている団体の方々にお集まりいただき、準備会を発足したところであります。準備会においては、生物調査を行うための組織編制等についてご論議いただいているところであり、その中において、当然、市民参加型の組織編制や調査手法等について言及があるものと考えております。

次に、ご質問の3点目、蛇口をひねれば美味しい水道水が飲み続けられる持続可能な環境整備のために地下水保全条例をつくろうについて、ご答弁申し上げます。初めに、ウォータープロジェクトへの取り組み状況についてであります。ウォータープロジェクトは、水循環基本法の公布を受け、官民連携事業として、環境省が発足した取組みで、その目的を、健全な水循環の維持・回復について、広く国民の理解と関心を深めるとともに、具体的な取組の推進や取組相互の連携協力の機会をつくり、全国的な幅広い取組を推進することとしております。本市においては、水道水源を100%地下水に依存しておりますことから、発足当初の平成27年度から参加し、奥多摩・昭島市民の森事業、岩泉町との環境連携交流事業等に引き続き取り組みながら、環境緑花フェスティバル等のポスターやチラシにプロジェクトのロゴマークを掲示し、啓発に努めているところであります。今後におきましても、健全な水循環について、市民の皆様の理解と関心を更に深めるため啓発に努めながら、目的に沿った事業の充実を図ってまいります。

次に、地下水を飲むまちの責任として、地下水保全条例を昭島市から率先してつくろうについてであります。コンセッション方式に対する市の考え方でございますが、水道事業は長期性があり、その中で事業者が利益を確保することは難しいこと、また、PFI事業は、その対象事業に特化した新会社を、複数の既存法人で設立する必要があることなど、一定以上の事業規模がなければ、制度本来のメリットを活かすことができないものと認識しており、本市水道事業のような小規模な事業体においては、広域化を検討する際に併せて検討すべきものであると考えております。

本市は、上流域の理解のもとに地下水を利用させていただいている流域の一員でありますことから、地下水の流域の枠組みの中において、健全な水循環を維持していくことが重要であると認識してございます。従いまして、地下水保全条例につきましては、流域における水循環に関する課題を明らかにし、国や多摩川流域の自治体と連携を図りながら検討していく課題であると考えており、引き続き、東京都や国の取組等に注視し、流域連携の実現に向け努めてまいります。